7月の日歯定例記者会見より

 


「生き甲斐を支える国民歯科会議」については,国民のための歯科医療を進める上で必要な具体的な政策とその実行性が重要だ,と述べた大久保満男会長(円内).
 日本歯科医師会は7月16日,東京・市ヶ谷の歯科医師会館において第5回理事会終了後の定例記者会見を開催した.冒頭のあいさつに立った大久保満男会長は,「2009年は疲弊している歯科界を立て直すステップの年にしたい」と述べ,閣議決定された社会保障費2,200億円削減の撤廃や「経済財政改革の基本方針」に歯科の項目が盛り込まれたことを評価する一方で,医療費財源の確保や次期診療報酬の改定などの課題を挙げた.


「生き甲斐を支える国民歯科会議(仮称)」 8月に開催
 
以前から大久保会長が構想を掲げていた,今後の歯科界について話し合う「生き甲斐を支える国民歯科会議(仮称)」の第1回が,8月に開催される予定となった.それに伴い,宮村一弘副会長より候補のメンバーが発表された(まだ正式決定ではない).外部からは,さまざまなジャンルから社会的に影響力のある人を約20名,内部からは,外部からの質問に答えられる専門知識をもった人を約10名(日本歯科医学会会長の江藤一洋先生,日本歯科衛生士会会長の金澤紀子先生,日本学校歯科医会会長の中田郁平先生ほか)選んだ.今後,会議をどのように進めていくかは,まだ検討段階であるが,「外部を中心に幅広く客観的な意見を求めていきたい」とした.


金銀パラジウム合金の代替材料の開発を依頼
 近年,金属の価格変動が歯科医療にも大きな影響を及ぼしている.その改善策として金属以外を視野に入れた保険適用の代替材料の開発が急務であるとし,当日の理事会で,日本歯科商工協会,日本歯科材料工業共同組合に開発の依頼文を提出することを決定した.


歯科医師需給問題のワーキングチームを設置
 近年,歯科大学・歯学部入学者数の定員割れが深刻化しているが,このような状況の中,日歯は具体的な対応策について検討するため,ワーキングチームを設置することを決定した.主な検討項目には,1.若手歯科医師の質の確保,2.歯科需要の拡大,3.将来的には約半数を占めるという女性歯科医師について,4.国試浪人への対応,などがある.
(2009.7.21)


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