第7回「デンタルヘルス・シリーズ」シンポジウムが盛況裏に開催

 


円内は左から米満正美先生,タレントの松本伊代さん.
 5月16日,第7回デンタルヘルス・シリーズシンポジウム「いきいき人生はお口の健康から〜口腔保健とQOL(生活の質)〜」(読売新聞社・日本歯科医師会主催)が東京・千代田区の東商ホールにおいて盛況裏に開催された.
 第1部の基調講演「口腔保健とQOL(生活の質)−豊かな生活を送るために−」では米満正美先生(岩手医科大学歯学部予防歯科学講座教授)が,予防の3本柱は「フッ化物」「食育」「かかりつけ歯科医」であるとし,80歳で20歯以上を保持するためには,小児期からこの3つを心がけた口腔衛生ケアを行うことが大事である,とした.続いて行われたプレゼンテーションでは,高木裕三先生(東京医科歯科大学 小児歯科学分野教授)が小児,佐々木勝忠先生(岩手県奥州市国民健康保険衣川歯科診療所 所長)が高齢者における口腔保健とQOLについて紹介したが,どちらも歯と全身の健康の関連性を強調する内容のものとなった.
 第2部では,上記の3先生にタレントの松本伊代さんを迎えてパネルディスカッションが行われた.事前に集められた参加者からのアンケートには「企業においては労働基準法で年1回の健康診断が義務付けられているのに,(特殊な職種を除いて)歯科はなぜ義務付けられていないのか」「デンタルフロスと歯間ブラシはどう使い分けたらよいか」など具体的な質問が挙がった.また松本さんの「習慣でデンタルフロスを毎日使っているため最近隙間が目立つようになった.気のせいか」という素朴な問いかけには,米満先生から「歯ぐきがやせてくるのは加齢のため.もっとやせてくると食べかすなどが詰まり,歯周病やう蝕の原因となるので,今後も自分の歯に合ったセルフケア用品を継続して使用してください」との回答がなされた.
 会場内には多くの中高年者が参加していたが,講演者の一言一句に熱心に耳を傾ける姿勢からは歯や健康に対する関心の高さが伝わってきた.景気が低迷し世のなか全体が沈滞ムードにある中,今一番活気のある世代が集合したように感じられたシンポジウムであった.
 なお,本シンポジウムの内容は,6月8日の読売新聞(朝刊)に詳しく掲載される予定である.

会場内の様子.なかには熱心にメモをとる人もおり,歯や健康に対する関心の高さが窺えた. パネルディスカッションでは,どの先生も参加者からの質問に丁寧に答えていた.

(2009.5.22)
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