12月の日歯定例記者会見より

 


挨拶する大久保満男会長(円内).厚生労働省で12月24日に「歯科保健と食育の在り方に関する検討会」が開催されることについて,「極めて大事な検討会」との認識を示し,会を挙げてサポートしていく姿勢を見せた.

 日本歯科医師会は12月18日,東京・市ヶ谷の歯科医師会館において今年最後となる定例記者会見を開催した.会見では,社会保障費削減への対応や定款改正などについて発表がなされた.

社会保障費削減への対応に道路特定財源などを充当
 麻生太郎総理は16日,平成21年度予算における2,200億円の社会保障費削減への対応に関し,その補填としてまず道路特定財源の一般財源化から捻出される「地域活力基盤創造交付金」のうち600億円を充てるよう指示を出した.これを受けて大久保満男会長は,「大変有り難いこと」との評価を示し,「経済が不景気な時こそ,セーフティネットや社会保障を手厚くすべき」だとの見解を述べた.
 なお,この対応策については年金特別会計の基金を1,370億円取り崩すことも含まれ,実質的な医療費の抑制はジェネリック医薬品の利用促進による230億円程度になる,とみられている(編集部).

新公益法人を見据えて定款を改正
 12月1日からの新公益法人制度の施行にともない,日歯では定款の大幅な見直しを進める.特に法人の「目的」の箇所は“公益法人として国民に何をするのか”という観点から,ほとんど書き直しになるという.なお,今回の改正作業はあくまで現在の定款を新公益法人にそぐうものに改正するためであり,終身会員や会員の種別などにかかわる改正は行わない.



日本歯科医師会が作成した窒息事故防止を呼びかけるリーフレット.

窒息事故防止を啓発するリーフレットを作成
 餅やご飯などによる窒息で,年間4,000人以上が死亡している.これに対し日歯では「しっかり噛んで食べることは,今すぐできる“窒息予防”」だとし,窒息事故防止を呼びかけるリーフレット(右図)を作成して全会員に配布する.
 リーフレットには,窒息の原因食品や窒息しやすい食べ方,窒息時の対処法などが紹介されている.

食育推進フォーラムを開催
 日歯は2月7日(土)の13時20分〜16時40分まで,食育推進フォーラムを東京・市ヶ谷の歯科医師会館において開催する.「よく噛み,味わい,健口長寿」をテーマに,河野美穂氏(内閣府食育推進室 参事官補佐)を招いて基調講演が行われる.そのほか向井美惠先生(昭和大学歯学部口腔衛生学教授)による講演やディスカッションなどが行われる予定.申込み・問合わせは日歯・地域保健課(TEL:03-3262-9211/FAX:03-3262-9885)まで.

 そのほか,記者と以下のような質疑応答が行われた.
Q. 札幌市のNPO法人と歯科医院が,アンケートに答えた患者の健康保険の自己負担分を無料にしているという報道があったが,これに対する日歯の見解は?
A. 現在事実関係を確認中だが,社会保障のルールを逸脱するようなことがあってはならない.
Q. 口腔保健法の進捗状況は?
A. 12月9日に自民党の歯科診療に関するプロジェクトチームが開催され,自民党の国会議員が150人以上参加した.12月16日には公明党の口腔ケア・歯科医療を考える勉強会が開催されており,それぞれ歯科に対する認識が高まっていると感じている.

(2008.12.24)


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