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大久保満男会長(円内)は,三師会でレセプトオンライン化撤廃を求める共同声明を提出したことについて,ねばり強くやっていきたいとの意気込みを述べた. |
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日本歯科医師会は10月23日,東京・市ヶ谷の歯科医師会館において定例記者会見を開催した.大久保満男会長は挨拶の中で,金融不安のため医療費の財源確保が難しくなっているとして,「財源をどうすべきか,政府はその方針を示してほしい」と訴えた.日歯としては今後,しっかりとした歯科医療政策を打ち出すことが最大の課題であると述べた.そのほか会見では,主にレセプトオンライン化への対応などが発表された.
三師会でレセプトオンライン化撤廃を求める共同声明を提出
近藤勝洪副会長より,22日に「レセプトオンライン請求の完全義務化撤廃を求める共同声明」を三会長(日医の唐澤祥人会長,日歯の大久保満男会長,日薬の児玉 孝会長)から舛添要一厚労大臣,大村秀章副大臣,尾辻秀久自民党参議院議員会長に提出したことが発表された.この共同声明には,「医療の質の向上と安全性を確保するための医療現場の努力はすでに限界にあり,医療従事者の疲弊は極みに達している」として,レセプトオンライン請求の完全義務化撤廃,レセプトオンライン請求は医療機関等の自主性に委ねること,を盛り込んでいる.近藤副会長は「ようやく三師会が足並みを揃えることができた」と評価した.
日歯レセコンソフト開発事業者を決定
レセプトオンライン義務化に反対する一方で日歯は,日歯仕様のレセコンソフトの開発を進めているが,その開発事業者を(株)NTTデータ(山下 徹代表取締役)に決定した.これは未だレセコンを導入していない2割の会員の救済策として行われるものだが,「会費を一部の会員のためだけに使うのはいかがなものか」との意見がある.これに対し大久保会長は,「レセコンユーザーにもある程度の費用負担は求めるが,このソフトで得られた情報は日歯の政策に活かされ,全会員に役立つ」とし,日歯でも負担していく考えを明らかにした.
今後は,来月の理事会で契約を締結し,平成21年12月を目途に開発を進め,22年1月からサービスが実施できるように進めていく予定である.また,記者から「将来的に電子カルテに活かせるようになるのか?」との質問が挙がったが,「いまのところ,そういったことは考えていない」との回答であった.
日歯ホームページでWEB動画を配信
日歯は9月30日から,ホームページにおいて国民向けに「8020日歯TV」を配信している.毎月1回更新されるもので,1回目は大久保会長が登場し「口腔と全身の関係」と題して,口の中の状態が全身にどのような影響を与えるかを,症例のVTRを通してわかりやすく解説している.
日歯が警察庁へ要望
日歯は10月初め,警察庁に対し「警察歯科活動の現状に関わる要望」を提出した.それは(1)歯科的個人識別における歯科医師による死体の検査に関する法的根拠について,(2)捜査関係事項照会等について,(3)警察歯科活動に際しての身分補償等について,(4)災害時の参集について,(5)身元不明死体票と家出人票(あるいは家出人捜索願)との関係について,の5項目に関する要望だが,10月16日付で警察庁より,概略以下のような回答があった.なお,日歯が警察庁に要望書を提出したのは初めてだという.
【(1)について】
御指摘の国家公安員会規則の改正については,今後,部内においてその必要性等を十分に議論・検討した上で,適切に判断してまいりたい.
【(2)について】
各都道府県警察に対し,歯科医師への歯科情報の提供依頼,歯牙の鑑定嘱託等は,文書で依頼することを指導してまいりたい.
【(3)について】
補償制度は既に確立していることを御理解いただきたい.
【(4)について】
緊急自動車以外の緊急通行車両について,当該車両が災害応急対策を実施するための車両として使用されるものであることの確認は,災害対策基本法施行令第33条第1項の規定に基づき都道府県知事又は公安委員会が行っている.一般的に,警察の要請に基づく歯科的個人識別のために使用される車両については,この確認の対象になり得ると思われるが,確認制度の運用は都道府県(警察)において行われていることから,その詳細については当該車両の使用の本拠の位置を管轄する都道府県警察と十分な調整を図られたい.
【(5)について】
捜索願受理時やその後の保護者等からの聴取等により,家出人が歯の治療を受けていたこと等が判明した場合には,その特徴を家出人捜索願受理票に記入し,更にその医院名等が判明した場合には,それを記載する運用となっています.
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