5月の日歯定例記者会見より

 


大久保満男会長(円内)は,政治の場だけでなく「国民にも歯科医療の必要性を啓発していきたい」との意気込みを見せた.

 日本歯科医師会は5月29日,東京・市ヶ谷の新歯科医師会館において定例記者会見を開催した.会見で大久保満男会長は,社会保障費を毎年2,200億円削減しようとする“マイナスシーリング”について,「医療費をこれ以上削減するのは無理だという考え方が自民党議員などと共有され始めている」との見方を示した.

大久保会長挨拶
 大久保会長は挨拶のなかで,5月27日に開催された自民党社会保障制度調査会(鈴木俊一会長)で「平成21年度においては,社会保障の自然増の削減を行うべきではない」と決議されたことについて,「歓迎すべき意見」と述べた.
 また,5月23日に行われた自民党国家戦略本部安心できる社会保障プロジェクトチーム(河野太郎座長)では,大久保会長がヒアリングを受け,歯科界の厳しい現状を訴えた.具体的には1.歯科医療への財源確保,2.技術料の評価,3.金パラの価格高騰,4.歯科医師需給問題,5.コデンタルスタッフの養成施設への補助,などについて約60分にわたり説明を行った.
 今後も歯科界の厳しい現状を政治の場で訴え,マイナスシーリングの改善を図っていくという.

食育に貢献するため“目標値”を設定
 日歯では平成19年6月に,日本歯科医学会,日本学校歯科医会,日本歯科衛生士会を含む4団体で,「食育推進宣言」を行い,多くの関係者と連携を深めながら“食育”の推進を目指している.
 これを踏まえ,今年は8020運動20周年という節目でもあることから,健康づくりの観点として“数値目標”を掲げ,その達成を目指して働きかけを行っていく.その目標の内容は,「よく噛んで食べることが肥満の防止になることを知っている国民の割合(90%)」「かみごたえのある食材を意識して食材に取り入れる国民の割合(60%)」(カッコ内の数値が目標値)など9項目にわたる.なお,その目標値の根拠となるデータは,今年の3月に池袋サンシャイン文化会館で開催された「健やか生活習慣フェスタ」の参加者を対象に行ったアンケート結果をベースライン値とした.

「スポーツ歯科検討ワーキンググループ」(仮称)を設置
 日歯は,代議員会などで要望が多かった“スポーツ歯科”に取り組むべく「スポーツ歯科検討ワーキンググループ」(仮称)を設置する.委員は杉山義祥(日歯代議員),片山 修(新潟県歯常務理事),藤居正博(滋賀県歯常務理事),石上惠一(東京歯科大学教授),安井利一(明海大学歯学部学長),箱崎守男(日歯副会長),高木幹正(日歯常務理事),浅野正樹(日歯常務理事)(順不同,敬称略).


(2008.06.02)
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