口腔保健法(仮称)成立へ向けて打合せ会が設立

 


左から,臨時記者会見に出席した大久保満男日歯会長,永山一行日歯連盟会長,石井みどり参議院議員.大久保会長は「日歯のビジョンを確立たうえで,自民党と検討していきたい」と語った.

 大久保満男日本歯科医師会会長,永山一行日本歯科医師連盟会長,石井みどり参議院議員は5月13日,東京・市ヶ谷の新歯科医師会館において臨時記者会見を開催した.これは口腔保健法(仮称)成立の実現に向けて,打合せ会を設立したことによるもので,第1回開催の前に記者会見を設け,その経緯や今後の日程などについて説明がなされた.

口腔保健法(仮称)に関する打合せ会設立の経緯とその理由
 大久保日歯会長は,打合せ会設立の経緯について「以前から各都道府県歯から口腔保健法制定への強い要望があり,その必要性を感じていた」と明かしたが,これまで診療報酬改定や参議院選挙などで自民党と具体的に検討する時間がとれなかったという.そして,口腔保健法(仮称)成立を求める理由として,1.「健康日本 21」の中間目標で歯科の達成率が高かったにも拘わらず,歯科の問題が広く認識されたとは必ずしも言えない,2.歯周病とメタボリックシンドロームは関連が高いのに,特定健診・特定保健指導に歯周病健診が入らなかった,3.地域医療計画に歯科がなかなか入り込めない,の3点を挙げ,「法律をつくることで,これらの後押しをしたい」と述べた.

打合せ会のメンバーならびに今後の日程
 打合せ会のメンバーは,日歯から大久保満男会長,箱崎守男副会長,池主憲夫常務理事,日歯連盟から永山一行会長,渡邉敏広理事長,村田憙信副理事長.このメンバーで基本的な流れをつくり,さらに6月4・5日に開催される役員合宿勉強会での議論を踏まえ,中間取りまとめを行う.その後,ワーキングチームや日本歯科総合研究機構を加えて具体的作業に取りかかる.また,同時進行で石井みどり議員が事務局長を務める「国民歯科問題議員連盟」(自民党衆参議員387名中268名が参加)でも検討を重ね,早ければ秋の臨時国会,遅くとも来年の通常国会には提出したい考え.

口腔保健法(仮称)の内容
 口腔保健法(仮称)の内容について大久保日歯会長は「単なる理念法ではいけない」と述べたが,石井議員は「いきなり実行法は難しい.まずは理念法での成立を」と語り,打合せ会メンバーのなかでも若干のバラツキが窺えたが「その点も踏まえて,これから議論していく」という.具体的には“検診”などを法案に盛り込みたい考えだが,そのためには予算が必要となり関係団体からの理解を取り付けなければならない.今後は,日歯,連盟,議連を中心に,口腔の健康がいかに全身の健康につながるかを説明し,議員や関係団体,そして国民から多くの理解を得る努力が必要となってくる.


(2008.05.15)
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