3月の日歯定例記者会見より

 


「(任期)最後の1年,精一杯頑張っていく」と締めくくった大久保会長.

 日本歯科医師会は3月27日,東京・市ヶ谷の新歯科医師会館において定例記者会見を開催し,8020推進財団および歯科医師国家試験の結果等について報告が行われた.

大久保執行部 これまでの2年間を振り返って
 大久保満男会長は,冒頭のあいさつで大久保執行部のこれまでの2年間を振り返り,診療報酬改定と医療制度改革の取り組みについて触れた.そして「次の1年間で日歯のあり方を考えることを主軸に据えて,(機構改革の)幹の部分を議論していきたい」と,任期最後の1年に懸ける意気込みを示した.

8020推進財団名誉会長に猪谷氏
 平成元年から始まった8020運動が,今年で20周年を迎える.そこで8020推進財団では,社会的に知名度のある人を名誉会長にし,国民運動としての牽引車(機関車役)を果たすために人選をすすめてきた.そして,ようやく猪谷千春(いがや ちはる)氏の承諾が得られ,理事会で承認された.
 猪谷氏は,日本人で初のスキーの回転での銀メダリスト(コルティナダンペッツォオリンピック).現在77歳で,IOC(国際オリンピック委員会)副会長,AIU(アメリカの自動車保険会社)の名誉会長を務め,財界にも顔が広い.大久保会長は「単に“いちアスリート”ということではなく,組織を動かすことにおいても非常に能力がある方なので,いろいろな形でお名前を拝借させていただいて8020運動をもう1回,国民運動にしていきたい」との意向を示した.

第101回歯科医師国家試験の合格率が発表
 27日,第101回の歯科医師国家試験の合格発表が行われ,合格率は68.9%,受験者数3,295名に対し2,269名の合格者であった.
 国家試験浪人が1,000人を超えたことについて日歯は「国家試験浪人はこれからも増える可能性がある.もちろん大学としての責任もあるが,一概に大学の問題とも言い切れず,宙に浮いた状態の人たちが1,000人以上いるとなると,日本歯科医師会としても無関心ではいられない問題だ」と遺憾の意を示した.
 さらに,“学生を育てる”歯科大学と“歯科医師を受け入れる”歯科医師会とが共有した危機感で話し合いをする場を作っていく必要があるとの考えを示し,今後,大学側と議論を交わす用意があるという.
 国家試験は選抜ではなく資格試験だから,需給調整のための手段としてハードルを上げ下げするという考え方は持っていないとし,“需給と直結すべきではない”と厚労省にも申し入れてあるとのことである.


(2008.04.01)
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