9月の日歯定例記者会見より

 


除名に関する議案否決の対外的な影響について「(除名の議案を提出し,代議員会では可決したので)執行部と代議員会の姿勢は外部の人たちに理解していただけると思う」との見通しを述べる大久保満男会長(円内).

  日本歯科医師会は9月20日,東京・市ヶ谷の新歯科医師会館において定例記者会見を開催した.会見では,先日の代議員会ならびに総会での除名に関する話題に質問が集中した.そのほかの報告事項を含めての内容は,以下のとおりである.

「除名」否決について大久保会長「極めて残念」
 会員2名に対する除名を求める議案が,代議員会では可決されたが総会において否決されたことについて,大久保満男会長は「議案提出者としては極めて残念」との感想を述べたが,定款上成立しているならば「それが,あの時点での日歯の総意であると思う」との認識を示した.
 しかし,日歯には各方面から「1人でも出席すれば成立する総会が,はたして会の総意と言えるのか」といった声も届いており,定款改正も視野に入れて今後も議論が続きそうである.

総会の位置付けを含めて定款の課題を議論
 日歯では定款等改正臨時委員会を設置して,公益法人制度改革に伴う執行部任期の改正などを諮問しているが(ヒョーロン・ニュース「7月の日歯定例記者会見より」参照),今回の除名問題を受けて“総会の位置付け”も議論の対象となることは必至であり,現定款の課題について今後も検討を行っていく模様である.すでに第1回の委員会は開催されており,11月に第2回が開催される予定となっている.しかし,民法との絡みから総会の位置付けを変えるのは,非常に難しいというのが現状の見方.それでも大久保会長は,「必要ならば(監督官庁である厚労省に)問題提起することもやぶさかではない」と述べた.
 また,今回の除名の議案が否決されたことについて,日歯から厚労省へ報告はしているが,厚労省側から特にコメントは出されていないという.

「後期高齢者医療制度を踏まえた歯科医療に対する基本的な考え方」を発表
 日歯は「後期高齢者医療制度を踏まえた歯科医療に対する基本的な考え方」の概要を会見で発表した.内容は,(1)本制度における歯科医療の意義,(2)本制度の実施に向けての歯科医療提供の在り方について,(3)本制度における歯科診療報酬の在り方について,で構成されており,(2)については9月14日の社会保障審議会医療部会に,(3)は9月20日の医療保険部会に,それぞれ提出している.なお,概要の全文は下記のPDFデータをご参照いただきたい.

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日本糖尿病対策推進会議に日歯が参画
 日本糖尿病対策推進会議(唐澤祥人会長)は,国民の健康づくりのために,生活習慣病,特に糖尿病対策を積極的に取り組み必要があるとの認識から,平成17年2月に日本医師会,日本糖尿病学会,日本糖尿病協会の三団体により設立された.一方,日歯は糖尿病と歯周病が相互に関連することが明らかにされてきていることから,同推進会議加盟団体との連携を進めていたが,平成19年8月8日に開催された同推進会議幹事会で,日歯の参画が承認されるに至った.これにより,太田謙司日歯常務理事が同推進会議の幹事として参加することになった.
 なお,都道府県単位でも同様の糖尿病対策推進会議が順次設立されていることから,日歯では,まだ参画されていない都道府県歯科医師会に都道府県レベルの推進会議への参画を呼びかけている.


 そのほか,記者と以下のような質疑応答が行われた.
Q. 先日の日技代議員会において,中西茂之日技会長が「できるだけ早く大久保日歯会長と会談の場をもつ」との意向を示していたが,日技から打診はあったのか?
A. 9月12日に中西茂之日技会長と小竹俊夫静岡県技工士会会長,古橋博美日技常務理事,時見高志日技常務理事が新歯科医師会館に訪れた.日歯側は大久保満男会長と近藤勝洪副会長が対応し10〜15分の会談をしたが,挨拶のみで日技からの要望などは特に出なかった.



(2007.09.27)
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