東京都歯科医師会第 167 回代議員会が開催さる

 


円内は,挨拶の中で歯科医師会会員による贈収賄事件について執行部の見解を述べる田中会長.

  東京都歯科医師会(田中秀夫会長)は9月6日,市ヶ谷の新歯科医師会館において第 167 回代議員会を開催し,会務報告,監査報告,日歯代議員会東京地区代表質問者報告,議案審議などが行われた.
 冒頭に挨拶をした田中会長は,会務全般について述べるとともに,社会保険事務局の指導医療官をめぐる贈収賄事件について触れ,目黒・武蔵野両歯科医師会とともに8月 20 日,日歯裁定審議会正・副委員長による「意見を聞く会」の聴取があったことを代議員に報告した.その中で,事件にかかわった会員2名を“除名処分とする”とした日歯の対応に対して「社団法人の会員は公平が大原則である.3年前の中医協をめぐる事件を起こした会員の処分はそのままで,今回の当事者2名を除名処分にするのは不公平感がある」「時の執行部の考えで処分が変わるのはよくない」などの考えを示した.また「国家資格を有する歯科医師には重い倫理観が必要であり,現在,歯科医師会会員としての倫理規定の作成を急いでいる.今回の事件についても倫理規定に基づいて審議をするのが筋ではないだろうか.今の段階で除名処分は考えていない」とし,日歯とは異なる見解であることを強調した(日歯執行部の意向は,ヒョーロン・ニュース「8月の日歯定例記者会見より」を参照).

議 事
 議事は全10議案が上程された.この中で,第10号議案「社団法人日本歯科医師会代議員および同予備代議員の補欠選挙」は前任者の辞任に伴い欠員が生じたために行われたもので,日歯代議員候補に端山智弘氏(世田谷区歯科医師会会員),同予備代議員候補に三澤正文氏(世田谷区歯科医師会会員)から届け出があり,いずれも定数内であったため無投票で当選が決まった(任期は平成 21 年3月 31 日まで).その他「平成 18 年度一般会計歳入歳出決算」「平成 18 年度特別会計歳入歳出決算」など, すべて賛成多数で可決確定した.

協 議
 一般質疑の中で,高橋哲夫代議員(東村山市歯科医師会会員)から「日歯の会員除名問題」について時局問題として取り上げてほしい旨の提案があり,集中審議されることとなった.高橋代議員は,提案理由について「会員の除名は大変な問題である.各代議員の間にもいろいろな意見があると思われるので,慎重に審議する必要がある」と述べるとともに「都歯の意見書をまとめ,日歯執行部に公開質問状を送り明快な回答を求めるべきだ」と提案を行った.これに対して,他の代議員からは「日歯の裁定審議会で議論は尽くされたのか疑問である」「現段階で処分問題を論ずるのは早すぎるのではないか」「裁定審議会での審議の内容が明らかにされていない.高橋代議員と同じく公開質問状を送ることを求める」といった意見があがった.執行部ではこれらの意見を集約し,日歯執行部に対して早急に公開質問状を送ることが決まった.


(2007.09.13)
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