第86回日技代議員会が開催さる

 


中西茂昭会長は,「(歯科技工士を取り巻く)問題が存在する以上,どのような状況や結果にも怯まない」と,今後も歯科技工士の環境整備に尽力していく意向を示した.

 日本歯科技工士会は9月1日,東京・市ヶ谷の日本歯科技工士会館において第86回の代議員会を開催し,「平成18年度事業経過報告書承認の件」「平成18年度会計収支決算報告承認の件」など,全3議案が上程され,すべて賛成多数で可決成立した.
 中西茂昭会長は挨拶のなかで,先の参議院選挙について「結果は出ませんでした.私自身が誰よりも悔しい思いです」と遺憾の意を述べるとともに「歯科技工士に関する医療政策は正されていない.だから,訴えは止めない」と,歯科技工士の厳しい就労環境,海外技工物問題などを是正するために,今後も力を注いでいく考えを示した.

日歯大久保会長と会談する意向
 中西会長は代議員会のなかで,大久保満男日本歯科医師会会長と会談する意向であることを明かした.これは,福島県技からの「今後の日歯との関係は?」との質問に答えてのもので,できるだけ早い時期の実現を目指すという.そして大久保会長に,歯科技工士の養成問題(教育期間の延長)や厳しい労働環境などを説明し,「できることなら日歯の理事会や代議員会,また中医協で発言できるようお願いしたい」と述べた.

日技総研――今年度内に設立
 日本歯科技工士会は,歯科技工士が抱える問題のデータ整理を行い,国会議員などへわかりやすく説明するための資料を作成する「日技総研」を今年度中に設立させる考えがあることを代議員会で初めて発表した.中西会長は,日技総研を設立することで「われわれの主張はエゴではなく,歯科医療のために行っていることを理解してもらいたい」と語り,できるだけ早い実現を目指す意向を示した.

会長職続投の意向
 代議員会では今回の参議院選挙の結果を受けて,「人事を刷新しないのか」「責任ある出処進退を求める」といった中西執行部に対する厳しい声が聞こえた.これに対し中西会長は,「自分の出処は自分で決める時が来るかもしれない」と語ったが,「今ここで逃げるわけにはいかない」と強い口調で訴え,平成20年3月の任期までは続投する姿勢を示した.ただし,次期会長選に立候補するかどうかは「現段階では白紙」と述べるに留まった.

 そのほか,記者と以下のような質疑応答が行われた.
Q. 31日に開催された評議員会で,執行部の勇退勧奨決議案が緊急動議として取り上げられたと聞いたが,どのような取り扱いになったのか?
A. 協議ののち票決を行った結果,賛成15人,反対34人で否決された.
Q. 3年後の参議院選挙に出馬する意向はあるか?
A. 「21世紀の医療と福祉を支える会」の理事会で検討してからになるが,(次期参議院選挙ではなく)将来的には日技連盟として議員を出したい.歯科界から複数の議員が出たほうが,業界活性化に繋がる.



(2007.09.06)
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