5月の日歯連盟定例記者会見より

 


永山一行日歯連盟会長は今回の東歯大同窓会東京支部の事件について,「参議院選挙に影響がないとは言えないが,極端に大きく影響を及ぼすことはない」との感想を述べた.
 日本歯科医師連盟は5月18日,東京・市ヶ谷の新歯科医師会館において定例記者会見を開催した.挨拶のなかで永山一行会長は,東歯大同窓会東京支部と指導医療官の贈収賄容疑に触れ「とんでもない事件だが,これをバネに一致団結して来年度の診療報酬プラス改定,石井みどり氏の高位当選を目指していきたい」と述べた.
 そのほか,以下のような報告がなされた.

東歯大同窓会東京支部,指導医療官 贈収賄容疑について
 永山会長はテレビや日刊紙などで報じられている東歯大同窓会東京支部などによる贈収賄容疑について,「今の時代にお金を渡すというのは考えられない」と憤りを露わにした.その一方で,政府や議員らとの関係が「せっかくいい状況になりつつあったのに……」と悔しさを滲ませ,今後,関係の回復に努力していく意向を示した.また,日刊紙で“歯科界全体の癒着体質”というような書き方をされていることに対しては,「現在,癒着という関係はない.EBMに基づいて,国民のための政策を打ち出している」と,旧体質から生まれ変わった組織であることをアピールした.

次期診療報酬改定 プラス改定を目指して
 記者会見の当日,千代田区の九段会館で国民医療推進協議会(唐澤祥人会長)による「国民医療を守る全国大会」が開かれた.それには日医,日歯,日薬など多くの医療関係団体が参加し,政府の医療費削減政策によって地域医療が崩壊しつつある現状に対し,全6項目の改善策を盛り込んだ決議文を採択したが,理事会のため欠席した永山会長は「医療費削減政策により医療界は疲弊している.このままでは歯科医療が崩壊してしまう」と同じく医療費削減反対の立場を強調し,次期診療報酬では何としてもプラス改定を目指していく考えを示した.

 そのほか,記者と以下のような質疑応答が行われた.
Q. 16日(水)に自民党の第3回 歯科診療に関するプロジェクトチームが開催されたが,その内容は?
A. 日歯と連盟から大久保日歯会長をはじめとする5名が参加したほか,国会議員など70〜80名が参加した.今回は,厚生労働省(日高勝美歯科保健課長)から後期高齢者医療制度の説明がなされ,多くの国会議員から,口腔ケアの効果や8020達成者の医療費などについて質問がなされた.
Q. 5月31日(木)に行われる日歯連盟全国都道府県・郡市区歯科医師連盟代表者連絡会議の内容は?
A. あくまで“連絡会議”であり,参院選を前にした総決起大会という位置付けではない.約1,000人の参加を見込んでおり,後期高齢者医療制度,診療報酬改定,参議院選挙などについて情報の伝達を行う.当日は,中川秀直自民党幹事長,片山虎之助参議院自民党幹事長らも参加予定.



(2007.05.25)
>>> 戻る