1月の日歯定例記者会見より

 


レセプトオンライン化に対して「強制的な一律義務化には反対していく」と,強い姿勢を示した大久保満男日歯会長.

表 「次期診療報酬改定検討チーム」メンバー


大久保満男
箱崎守男
近藤勝洪
堤 直文
内山文博
池主憲夫
渡辺三雄
太田謙司
梅村長生
石井拓男
恒石美登里
笹井啓史
会長
副会長
副会長
副会長
専務理事
常務理事
常務理事
常務理事
嘱託
研究機関運営準備委員会委員
研究機関運営準備委員会委員
日本大学松戸歯学部教授

このほか,日本歯科医師連盟と日本歯科医学会から各1名ずつ参加する予定.
 日本歯科医師会は1月25日,東京・市ヶ谷の新歯科医師会館において今年最初となる定例記者会見を開催した.会見の中で,「次期診療報酬改定検討チーム」の発足()やレセプトオンライン化への対応,歯科診療所の医療安全管理指針(モデル)の作成など,多岐にわたる対応が発表された.

「次期診療報酬改定検討チーム」発足
 日歯は,医療制度改革にともなう医療提供体制や医療保険制度などの変化に対する考え方を一度整理し,次期診療報酬改定に向けて基本的な政策づくりをするため「次期診療報酬改定検討チーム」の立ち上げを決定した.2月1日に第1回の会議を開催し,遅くとも4月までには取りまとめを行いたい考え.この基本政策をもとに,日歯社保委員会などを中心に診療報酬の具体的な検討を行っていく.

在宅医療推進のための医科歯科連携ワークショップを開催
 研究機関運営準備委員会のワーキンググループ活動として,在宅医療推進のための医科歯科連携ワークショップを2月18日に開催する.これは,後期高齢者医療制度や各都道府県で策定が進められている新医療計画などについて,医科と連携して積極的に取り組むためのものである.特にプライマリ・ケア学会(在宅医療などのプライマリ・ケアを推進している学会)の協力を得て,口腔ケアの重要性を訴える.また,4月の国民向けホームページ「歯の博物館」の開設を踏まえて,在宅医療推進のためのシンポジウムを開催する予定.

歯科診療所 医療安全管理指針(モデル)を策定
 昨年6月の医療法改正により,4月から歯科診療所において医療安全の確保が義務付けられる.そのモデルとなる医療安全管理指針が日歯より発表された.この内容は2月10日発刊の『日本歯科医師会雑誌』2月号で特集される.医療管理・税務担当の太田謙司常務理事は「これをモデルとして各医院に合ったマニュアルを作成してほしい」と述べ,早急な対応を促した.

レセプトオンライン化への対応
 平成23年度より義務化されるレセプトオンライン化について,日歯は「オンライン化に対応できない医院が出てくるのではないか」(近藤勝洪副会長)との危惧を示しており,導入可能な医院から対応する“手上げ方式”で行うべきとの考えを持っている.その実現のために,「レセプトの大部分を占める医科との連携は不可欠」とし,日医と協調しながら,厚労省などへ意見を述べていきたい考え.
 また,平成18年10月時点での歯科のレセプト電算処理システムの状況は,0%(医療機関数ベース)だが,医科は8.08%,調剤は51.85%となっている.そのため「歯科は土台がまったくないのに平成23年度から実施するのは難しい」とし,日歯連盟とも協力してロビー活動を展開し,歯科の実態を訴えていく.

母子健康手帳に歯科の文言が拡充される
 平成19年度から母子健康手帳の任意記載様式が改正される.それにより「歯科がトーンダウンするのではないか,との恐れがあった」(池主憲夫常務理事)ため,厚労省と折衝を重ねていた.その結果,歯科に関する文言が拡充される形となった.具体的には,「専門家の保健指導を受けましょう」の中に「歯科衛生士」の文言が加わり,「おしゃぶりの長期間の使用による咬み合わせへの影響」が新しく盛り込まれるなどした.これについて,池主憲夫常務理事は「あらゆるライフステージに関わる歯科医療にとって,極めて大きな意味を持つ」と評価した.

3月15・16日に第158回代議員会が開催
 内山文博専務理事は3月15・16日に開催される第158回代議員会について,日歯歯科総合研究機構の設置や平成19年度予算などについての議案を上程する,と解説した.また,協議事項としては,公益法人制度改革を取り上げる予定であることを明らかにした.

糖尿病キャンペーン 公開シンポジウムを開催
 「ヒョーロン・ニュース」(2006.12.25)でもお伝えしていたとおり,日歯は(社)日本糖尿病協会と毎日新聞社と共同で糖尿病に関するシンポジウムを企画していたが,その概要が決定した.開催日時は,4月8日に東京・千代田区永田町の砂防会館,5月13日に大阪市のオーバルホールで行い,それぞれ一般市民400名の参加を予定している.シンポジウムの内容は『毎日新聞』に掲載される予定であり,市民に糖尿病の予防と早期発見のための知識向上を広く啓発する.また,シンポジウム以外にも糖尿病に関連するキャンペーンを企画中であるという.



(2007.01.30)
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