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三宅久之氏(円内:左)の特別講演に続き挨拶を行った浅野紀元東京都歯科医師会会長(円内:中央)は,新聞などを利用した歯科の社会的認知度向上と,未入会者に対する歯科医師会の認知度向上の必要性について述べた.円内:右は来賓として挨拶を行った大久保満男日本歯科医師会会長.
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2つのテーマについて話し合われた第4分科会では,特に歯科衛生士の職場復帰への対策や養成事業への各都県の取り組みについて活発な意見が交わされた. |
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7月22日,東京・千代田区のホテルグランドパレスにおいて平成22年度関東地区歯科医師会役員連絡協議会(当番都県:東京都歯科医師会)が「これからの歯科界について」をメインテーマに開かれた.午前に4つの分科会が行われ,午後は政治評論家の三宅久之氏による特別講演の後,全体協議会において各分科会の取りまとめが報告された.その要旨は以下のとおり.
第1分科会 会長部会/時局問題について
1.新公益法人制度改革への対応について
福祉共済制度の存続をめぐり,「一般社団制度」と「公益社団制度」のどちらを目指すべきか,各都県共に検討が重ねられている.
2.各都県における行政および議会対策について
歯科医療政策に関する要望については各都県共に与党を中心に関係先へ働きかけているが,要望の内容によっては超党派での議員への働きかけも行われている.
第2分科会 公衆衛生部会/在宅歯科診療における医療連携について
1.急性期から在宅に至るまでの医科・歯科連携の推進
各都県の地域保健医療計画における歯科の位置づけに関し,県によっては歯科の役割が明記されていないなど地域間での温度差が生じている.一方で,「地域連携クリティカルパス」の導入については,各都県共にゆるやかではあるが進行している.
2.他職種連携事業
他職種連携事業の一環として,多くの都県歯において摂食・嚥下指導が可能な歯科医師の育成を目的とした研修会が中心的に行われている.
3.補助金および委託事業の活用
ほとんどの都県歯において「8020運動推進特別事業」を中心に活用している.在宅歯科診療設備整備事業などに関しては,一部で予算化されているが,多くの県歯が申請中であり,実施に向けた準備を進めている.
第3分科会 医療保険部会
1.個別指導のあり方について
対象医療機関に対し「威圧的な指導がなされている」との報告が寄せられている一方で,保険に対し理解不十分な医療機関もあり,立ち会いを通じて適正な個別指導が十分に確保されるよう,会員への医療保険制度の周知徹底を図る.集団的個別指導のあり方については,各都県共に行政への交渉を行い,日本歯科医師会にも要望書を提出している.
2.健康保険組合による医学管理に関わる文書受領拒否の実態について
神奈川県で,歯科受診にあたり歯科疾患管理料における情報提供文書の受領を拒否することにより,歯科疾患管理料を算定させないよう文書にして被保険者を指導している健康保険組合があるというが,他都県においては同様の報告はなされていない.健康保険組合は公益組織であるため各都県単位での対応は難しいが,都県同士による協力の必要性を感じる
第4分科会 医療管理部会
1.潜在歯科衛生士の職場復帰ならびに歯科衛生士養成事業への取り組みについて
関東地区では,東京に歯科衛生士の就業が集中する傾向であり,他県においては歯科衛生士不足が問題とされている.また,結婚や出産・子育てなどで一度離職した歯科衛生士が再就職できるよう,県のホームページや復職支援無料講習会などを設置して対応しているが,各都県の歯科衛生士会や専門学校とも連携を強化し,新卒者や職場復帰を希望する未就業者に対する支援機構のPRが重要である.
2.医療監視について
各都県で医療機関数や保健所数に差があり,実施状況にばらつきが生じている.「医療管理マニュアル」などの冊子を作成し,会員各位に注意喚起を促す. |
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