日本学校歯科医会が第77回総会を開催

 
 


円内は左の発言とともに,「研修会などでの研鑚の結果を子供たちの健康教育に活かしていくことが日学歯としての宿命」と語る中田会長.
社団法人日本学校歯科医会(中田郁平会長)は6月23日,東京・市ヶ谷の歯科医師会館において,第77回総会を開催した.
 はじめに挨拶に立った中田会長は,会長就任当初から力を入れてきた日本歯科医師会との連携強化の一環として,日歯広報に“日学歯だより”を定期的に掲載するなどの試みを示し,「学校歯科における歯科健康相談や歯科教育の考え方が,迅速にかかりつけ歯科医の先生方に伝わることを期待する」と述べた.また,平成23年度には学校歯科医制度制定80周年,社団設立40周年を控え,年度計画の各種事業を円滑に進めていくためにも,今後,加盟団体とのさらなる連携が必要になってくると強調し,代表会員に対して理解と協力を求めた.
 報告では,学校歯科医の資質向上を目的とした「学校歯科医生涯研修制度」にかかわる事業についての実施状況が述べられた.第74回総会にて制度が制定されてから約1年,これまでに基礎研修会は各地で40数回開催され,あわせて約9,000名が参加した.内訳はおおむね日学歯正会員(会員数:24,271人/平成22年6月現在)であったが,加盟団体の推薦を受けて参加した非会員もみられ,その中には日学歯へ入会した者も若干名いるようである.代表会員からは高い受講率に対して感嘆の声が上がる一方で,非会員に対する広報活動の苦労等の発言もあり,執行部が各代表会員によい案はないかと問いかける場面もあった.

議案審議
 「平成21年度事業報告」「平成21年度収入支出決算」「選挙規則一部改正」「予算決算特別委員会規約一部改正」の4議案が上程され,いずれも賛成多数につき原案どおり可決・確定した.この中の第2号議案「平成21年度収入支出決算」において,予算決算特別委員会の芦田欣一委員長から収支の現況が報告された.芦田委員長は,「収入面では会員の増加にともなう会費収入の増加がみられたが,支出面では学校歯科医生涯研修制度にかかわる基礎研修会の費用(役員出向費,テキスト増刷等)の大幅な増大がみられ,現在は積立資産を取り崩しながら各種事業費用に充てている状態である.このため,事業全体の精査や組織率のさらなる向上が必要であり,引き続き会員増強に努めたい」との見解を示した.
 総じて,日学歯と日歯,加盟団体,文科省,地域医療――等々との連携の重要性が確認された総会であった.

(2010.06.30)

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