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円内は特別講演を行った藤田紘一郎先生(左)と櫻井善忠会長(右).櫻井会長は挨拶の中で,「昨年から『学校保健法』が安全を加えて『学校保健安全法』と改正されたのを受けとめて,われわれ学校歯科の分野の守備範囲をさらに広げて児童生徒の健全育成に挺身してまいらねばならない」と述べた. |
去る3月4日,東京・文京シビックホールにおいて標記大会(主催:東京都学校歯科医会)が有意義に開催された.本大会は,「学校と家庭が連携して行う児童生徒の歯・口の健康つくり」を主題とし,学校歯科保健優良校・優秀作文・学校歯科医30年勤続会員・学校保健功労者の表彰のほか,特別講演や中学生による合唱,優秀作文の発表が行われた.
特別講演「免疫をつける生活」きれい社会の落とし穴〜アトピーからがんまで〜
特別講演は,藤田紘一郎先生(人間総合科学大学教授・東京医科歯科大学名誉教授)が「『免疫をつける生活』きれい社会の落とし穴〜アトピーからがんまで〜」をテーマに行った.藤田先生は,昨今日本人に急増している花粉症をはじめとするアレルギー病について「過剰な抗菌・除菌への意識の高まりによって,生体とかかわりをもっていた細菌などの微生物まで排除してしまった結果,35年前にはなかったアレルギー病が発症していると思われる」と述べ,日本人の超清潔志向に対して注意を促した.そのうえで,アレルギー病に抵抗する免疫機構について解説し,免疫力を高めるために,腸内細菌叢のバランスを保つための食事の重要性と,ストレスを溜めない「心」のバランスの保持が不可欠であることを説いた.さらに,「笑いは,生体防御において重要な役割をはたすNK細胞を高める」とし,終始冗談を交えて笑いをとり,「本日参加された皆さんは,講演を通して免疫力が向上しました」とまとめた.
平成21年度「歯に関する作文」の発表
優秀作文の発表では,小学校の部377作品・中学校の部118作品の中から,それぞれ最優秀に選ばれた2作品が発表された.小学校の部では歯の矯正治療に対する不安と期待が,また中学校の部では歯科医院への通院や歯科講話をきっかけに「歯は積極的に守れるもの」と気づき得る様子が,それぞれいきいきと表現されていた. |
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