2月の日歯定例記者会見より

 
 


冒頭の挨拶で大久保満男会長(円内)は,2回目の開催となる「生きがいを支える国民歯科会議」について「歯科が高齢者とどう関わるかを考える上で,多くの意見をいただけた」との手応えを示した.
日本歯科医師会は2月25日,東京・市ヶ谷の歯科医師会館において定例記者会見を開催した.大久保満男会長は冒頭の挨拶で,同月23日に第2回「生きがいを支える国民歯科会議」が開催されたことについて触れ,今回は角町正勝理事が「医療連携」と「在宅歯科医療」に関してプレゼンし,活発な意見が取り交わされたことを紹介した.そのほか,以下のような発表がなされた.

私立歯科大学協会と日歯が初の公式協議を開催
 2月17日,日歯は私立歯科大学協会(中原 泉会長)と初めて公式な協議会の場を持ち,大学入試・歯科教育・国家試験などについて幅広く議論を取り交わした.なかでも,歯科大学・歯学部志願者数が大幅に減少していることに対して「志願者を増やす」という方向性では両者の考えが一致したものの,協会側が「大学受験者が減ることで,歯科医師過剰問題は徐々に解決していくだろう」との考えであるのに対し,日歯は「数の上では解決しても,質を確保しなければならない」と見方が分かれる場面もあったという.なお,引き続き議論は続けていく意向で,次回は5月の開催を予定している.

「在宅歯科医療に関する調査結果」を報告
 日本歯科総合研究機構は,在宅歯科医療の現状や問題点を把握し,在宅歯科医療推進のための基礎資料とすることを目的に,在宅療養支援歯科診療所の届け出を行っている日歯会員を対象(3,525診療所)にアンケートを実施した(有効回答率は65.4%).同調査によりまとめられた結果では,「1カ月の平均在宅患者数は25名前後」「在宅歯科医療は診療室での同一行為の2倍以上の時間を要する」などの回答が得られた.これらの結果をふまえ,山科 透副会長は,「要介護者に対し歯科医療が今後どのような対応を講ずるべきか,高齢者に重点を置いた歯科医療を考える上で重要な資料となる」と述べた.

海外技工物の問題に関する報道について
 TBSテレビで放送された,海外で作られた歯科技工物に国内では認可されていない金属(ベリリウム)が含まれているとする報道があったことを受けて,大久保会長は「3月上旬にも日本歯科技工士会・日本歯科商工協会・日本歯科医学会との協議会を設け,対応について検討した上で厚労省へ報告する」との考えを示した.
(2010.03.8)

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