次期参院選「組織内候補は擁立しない」旨 第108回臨時評議員会にて機関決定

 


円内は堤 直文会長.評議員会終了後の記者会見では,口腔保健法(仮称)については日歯や与野党議員と議論を重ねた上で,次の通常国会で民主党と自民党の超党派で提出したい,との意向が示された.
 日本歯科医師連盟は11月20日,東京・市ヶ谷の歯科医師会館において理事会(第13回)終了後,第108回臨時評議員会を開催した.本評議員会では,挨拶や国会報告,会務報告の後,議案審議に移り,「次期参院選に組織内単一候補は擁立しない」ことが挙手多数により可決された.連盟挙げての選挙はなくなったが,執行部としては,与党となった民主党からオファーがあった場合や会員の中で民主党から立候補したいという人がいた場合には全会員の意見を踏まえた上で“支援”という形で対応したい,との意向を示した.

 評議員会冒頭で堤 直文日歯連盟会長が,次期参院選について「政権の行方を十二分に把握せず,全国の会員を混乱させてしまったことをお詫び申し上げたい」と反省の意を述べた.そして,高嶺明彦氏に対しても,大変な苦痛を与えてしまったことを陳謝するとともに,今後は高嶺氏が納得できる形で何らかの対応をしていくことを示した.その他,民主党政権との関係は,長浜博行厚生労働副大臣らと話し合いの場を持つなど,日歯の見解が少しずつ理解されている現状を説明した.また,地方議会はおおむね自民党が制している現状から,民主党政権である国政との間に生じている“ねじれ現象”については,今後,各地区に出向き会員の意見を聞いた上で対応していきたい,とした.

 来賓として挨拶に立った大久保満男日歯会長は,下降傾向にある歯科保険医療費について国民に安定した医療を提供するためにも,与党には「次期診療報酬改定できちんとした点数をつけてもらいたい」と訴えた,とした.国会報告では,石井みどり参院議員が最近の国会状況を説明,さらに「私が所属する自民党は野党になったが,歯科医療政策の実現のため職域代表として全身全霊で任務を遂行していきたい」とした.

議案審議では評議員からはさまざまな意見が挙がったが,その一部を紹介する.

 富田 篤評議員(神奈川県):民主党から立候補者の要請があった場合,どうするか.
 高木幹正理事長:日歯連盟が主体となって候補者を出すことはなくなったが,個々に民主党から立候補したいという会員がいれば“支援”という形で対応したい.

 曽山幸一評議員(鹿児島県):「組織内候補は擁立しない」とする執行部の提案に賛成する.各県代表の意見を聞く限り,全会員が一丸となるのは困難である.また,来年7月の参院選までに政局がどうなっているかわからない.この期間を一致団結するための好機とし,これからの連盟のあり方を模索していきたい.

 黒川森夫評議員(大阪府):大阪府では軸足を民主党に移しており,有力な議員を支援する方向で進んでいる.歯科医療政策実現のために政権与党を支持していくのは当然のこと.執行部にも臨機応変に対応してもらいたい.


(2009.11.26)

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