東京都歯科医師会 第172 回代議員会より

 


組織力の強化として,「未入会者への対策を早急に進めていきたい」と話す浅野紀元会長.
 東京都歯科医師会は9月3日,東京・市ヶ谷の歯科医師会館において第172 回代議員会を開催した.冒頭の挨拶に立った浅野紀元会長は,8月の衆院選で政権与党となった民主党について「今後の動向を見極めて対応を図りたい」とした後,会務については,新公益法人制度やレセプトオンライン化への対応,地域歯科医療の充実,さらには未入会者対策などを重要課題と位置づけ,さらなる検討を重ねて対応していくと述べた.続いて,大久保満男日本歯科医師会会長,大曽根正史東京都歯科医師連盟会長,櫻井善忠東京都学校歯科医会会長が挨拶に立ち,歯科界の現状についてそれぞれ見解を述べた.
 議案審議では,各種歳入歳出決算や平成21 年度補正予算などの9議案が上程されたが,すべて賛成多数により可決された.なお,20 年度一般会計については,会員数の減少により会費納入は落ち込んでいるが,会議費など調整できるものは節約を図り,約2,100 万円ほどの支出減を実現させたものである.

 協議事項では,地区代表質問者報告で浅野会長が提出した「未入会者対策について」が話し合われた.現在,都歯の会員数は8,493 名.そのうち終身会員は右肩上がりで増え現在1,837 名と全体の20%強を占めている.また,平成19 年度に附属病院および公的医療機関等に勤務する歯科医師を対象に第2種会員B を開設したが,なかなか成果が出ていない.このような現状を踏まえた上で,今後どのように会員数を増やし組織力を強化させていくかについて議論が交わされた.行政は歯科医師会を窓口として地域住民の歯科保健向上対策を打ち出してくるし,会としても会員が主体となって対応しているのが現状であるが,そういう実態を地域住民に理解もらう必要性などを含めて,これからの検討課題となるようである.

 その他,一般審議では代議員からは以下のような質問が挙がった.
Q 日歯では終身会員の年齢引き上げがなされているが,都歯では検討されているか.
A 現時点で検討はしていないが,今後日歯の動向を見ながら(年齢引き上げに対する)検討を進めていきたい.
Q 都歯では,レセプトオンライン化に対応できない25%の会員に対して,請求義務化が行われた際の対応策を考えているか.
A 地区の歯科医師会が代行請求し,地区ごとに東京都国保連合会を通じて送信することが検討されている.ただ,今後の政局の流れによっては変わることも考えられる.
Q 多摩地区には重症の心身症患者の口腔内を診る施設がない.よって,その件において多摩市と他の市および23 区との間に格差が生じている.そこで,都立心身障害者口腔保健センターの分室を作ってもらうよう予算も含めて都歯から要望してほしい.
A この件については重く受け止めている.分室にするか新しいものを立ち上げるか,今後も継続的に議論を進めていきたい.

(2009.9.8)


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