5月の日歯定例記者会見より

 


会員を巻き込んだ贈収賄事件に対して,厳しい表情で語る大久保満男会長(円内).
 日本歯科医師会は5月24日,東京・市ヶ谷の新歯科医師会館において定例記者会見を開催した.冒頭に大久保満男会長は,贈収賄容疑で前専務理事を含む日歯会員2名が逮捕されたことについて「国民を裏切る行為」と厳しく非難すると同時に「会としては関与していないが,国民・会員にご迷惑をおかけした」と謝罪の弁を述べた.
 今後は,事件の重大さを認識しながらも,「正しいと思うことは怯むことなく主張していきたい」と語った.

3カ月間20%の減給措置
 記者会見のなかで大久保会長は,「社会保険事務局技官に係る贈収賄容疑への見解」(『日歯広報』5月25日号に全文掲載)を発表し,(1)国民・会員へのお詫び,(2)会長の任命責任として自身の減給措置(3カ月間20%減),(3)裁定審議会の開催,について緊急の報告として述べた.

第1回裁定審議会開催
 今回の事件を受けて24日,急遽第1回裁定審議会(白尾国興委員長)が開催され,事件に関連した会員の身分について審議がなされた.裁定審議会の委員は平成19年4月1日からの任期であり,今回が新委員となって初の審議会となる.大久保会長は,臼田氏絡みの事件について触れ,「前回の事件の時は対応が遅れ,“自主退会”となり会としての処分ができなかった」とし,その反省を踏まえて今回は「厳正に対処する」との考えを述べた.ただし,現時点(5月24日時点)では起訴・不起訴がわかっていないため,事件の推移を見ながら,かつ早急に対応したいとのこと.

能登半島地震の義援金締め切り
 日歯が集めていた能登半島地震の義援金が締め切られた.合計金額は759万円余(合計件数は179件)にのぼり,近日中に石川県歯科医師会へ送金される.

各種報告
平成18年度日歯年金適用利率が3.78%に決定
未就業歯科衛生士の雇用促進に関する打合会(仮称)設置
日本歯科医師会,日本歯科医学会,日本学校歯科医会,日本歯科衛生士会が6月4日に「食育推進宣言」
7月7日に松下IMPホール(大阪府)で世界口腔保健学術大会記念「第13回口腔保健シンポジウム」開催
2009年10月5日〜10日にISO/TC106(歯科用材料・器械の国際規格)会議が大阪で開催
日本歯科医師会,日本歯科医学会,日本歯科商工協会が「歯科医療機器産業ビジョン(案)」を厚生労働省に提出(内容の詳細は月刊『日本歯科評論』8月号に掲載予定)

 そのほか,記者と以下のような質疑応答が行われた.
Q. 今回の贈賄事件で厚生労働省にも捜査が入っているが,日歯と厚労省の関係が悪化してしまわないか? また診療報酬改定への影響をどう考えるか?
A. これまで厚労省には歯科医師会のエゴを言わず,国民のためになる歯科医療について議論してきた.築いてきた信頼関係が壊れないことを祈るのみ.しかし,会として(逮捕者の)処罰はしっかり行いたい.
Q. 処分が決定する前に事件関係者から退会届が出された場合は?
A. 一番頭を悩ませている問題.規約上は提出された退会届は受理せざるを得ない.しかし,会としてこの事件に“どう対応したか”を明確にすることが大事だと考えている.
Q. 内山文博前専務理事の退職金はどうなるのか?
A. 4月の半ばに本人から辞退の申し出があった.


(2007.05.30)
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