日歯連盟 第100回評議員会を開催

 


「多くの問題に日歯と協力して取り組んでいきたい」と語る永山一行会長(左端),中央は国会報告に訪れた中原 爽参議院議員.右は次期参議院候補予定者の石井みどり氏.

表 歯科診療に関するプロジェクトチーム


役職 氏 名 選挙区 当選回数
主査
副主査
副主査
副主査
幹事
幹事
幹事
幹事
幹事
幹事
幹事
幹事
幹事
幹事
幹事
幹事
幹事
幹事
幹事
幹事
幹事
井上信治
新井悦
萩原誠司
中原 爽
上野賢一郎
木原誠二
木挽 司
清水清一朗
寺田 稔
中根一幸
御法川信英
やまぎわ大志郎
橋本 岳
関口昌一
景山俊太郎
三浦一水
鶴保庸介
田村公平
椎名一保
坂元由紀子
末松信介

東京25区
埼玉11区
比例中国
参・比例
滋賀1区
東京20区
兵庫6区
比例東京
広島5区
比例北関東
秋田3区
神奈川18区
比例中国
参・埼玉
参・島根
参・熊本
参・和歌山
参・高知
参・千葉
参・静岡
参・兵庫






















平成19年3月15日現在
 日本歯科医師連盟は3月23日,東京・市ヶ谷の新歯科医師会館において第100回となる評議員会を開催した.永山一行会長は挨拶のなかで,医療制度改革について「格差をもたらし,弱者をいじめるものが相当含まれている」と指摘し,現在の医療制度が維持できるかの岐路に立たされている,との認識を示した.
 また,あと4カ月となった次期参議院選挙については「石井みどり氏を高位で当選させる」との目標を掲げ,職域代表を国政の場に送るために全力を挙げて取り組む姿勢を強調した.
 続いて,中原 爽参議院議員により国会報告が行われ,自民党の社会保障制度調査会医療委員会に「歯科診療に関するプロジェクトチーム」()が設置されたことを紹介し,「各都道府県の連盟には,このチームに入っている議員を有効に活用してもらいたい」と働きかけた.なお,このプロジェクトチームは6月までに計7回の会合を予定しており,診療報酬や高齢者に対する口腔ケアなどについて議論が交わされる.
 評議員会に来賓として出席した大久保満男日歯会長は,「次期診療報酬改定はプラス改定を目指す」と述べ,その実現には連盟の“政治力”が不可欠だとし,日歯との協力を求めた.
 そして,次期参議院選挙立候補予定者の石井みどり氏は「職域代表がいなくなってしまえば,歯科医師会は政策集団ではなく,単なる陳情団体になってしまう」と危機感を募らせ,さらなる支援を評議員にお願いした.
 また,同じく歯科医師で次期参議院選挙に立候補予定の松井正剛氏(奈良県),白須賀貴樹氏(千葉県)も駆けつけ,応援をお願いした.

 続いて時局,会務,会計,監査の各種報告が行われた.そのなかの監査報告では,臼田元会長に対する弁護費用7,300万円余の返還請求について説明がなされ,「現在4回にわたって調停が行われており,引き続き調停の推移を見守っていく」(竹内昌司常任幹事)との報告がなされた.そのあと議案審議に入り,平成19年度一般会計収支予算ほか,計6題が上程された.第1号議案「平成19年度事業計画」では,「“参議院比例代表選挙への対応”をもっと重要視すべきだ」(守口憲三評議員・岩手県)との意見も出たが,修正することなく,賛成多数で執行部案どおり可決された.
 そのほかの議案もすべて,執行部提案どおり可決確定された.

 続いて事前質問が行われたが,その中から一部を抜粋して概要を紹介する.

会員の心を掴む連盟活動のあり方について(宮崎県/田島逸男評議員)
 宮崎県知事選挙では自民党が惨敗し,特に若い人の“自民党離れ”が進んでいるように感じる.歯科界も同様で,支援者名簿の提出者を見ると若い歯科医師の協力が少ない.(若い歯科医師は)選挙よりも学術の研鑚と経営の安定に心が向いているようだ.そこで,著名な臨床家に支援の演説を行っていただければ,若い歯科医師や無党派層の獲得に有効なのではないか.
 永山一行会長:素晴らしいアイディアだが,内容的に難しいと思う.連盟はあくまでも政治的に動き,各地で歯科に関心のある議員を招いて“デンタルミーティング”などを開いて懇親を深めたい.
 富野 晃評議員(北海道):4月からは各種学会が開催される.そういった場の開会式などで,石井みどり氏に挨拶をしていただければ,有効なのではないか.

業者を介した患者への金券発行について(東京都/三浦健二評議員)
 2006年11月29日付の『日経産業新聞』によれば,医療専門マーケティング会社が歯科医院を対象に成功報酬型の運営支援サービスを計画し,本年1月からサービスが開始されている.これはインターネットのサイトを通じて,患者が同サービスに加盟している歯科医院で受診した場合,保険診療を含む診療に対してポイントをもらい,それを金券に交換できる仕組みのものである.同マーケティング会社は「厚労省から了承を得た」としているが,私が同省に問い合わせたところ「違法の可能性がある」とのことであった.この問題は,他の医療界にも飛び火する可能性があると考えるが,日歯連盟としての考えはいかがか.
 渡邉敏弘理事長:日歯連盟として厚労省に問い合わせたところ,どうやら省内でも意見がまとまっていないようだ.私個人としては診療報酬の値引きにつながると考え,違法だと感じている.事実関係を確認し,日歯と連携しながら厚労省と話し合いをしていきたい.

「調査研究部門」の設立について(神奈川県/富田 篤評議員)
 日歯の研究機関設立のため,連盟から6,000万円を拠出する予定であったが,日歯内部に設立することでそれが不用になった.そして,連盟内部には「調査研究部門」を設置するというが,4,000万円もの額を投じる根拠を示してほしい.
 村田憙信副理事長:日歯と連盟は,それぞれ政策立案に必要な研究を行っていく.その研究テーマの住み分けと研究結果の共有を図るために「調査・研究連絡会議」を日歯と連盟の間で開催する.
 連盟の「調査研究部門」では,調査研究を外部(シンクタンクや大学,学会など)へ委託する.そのためにかかる経費が4,000万円である.

次期参議院選挙の対応について
 協議事項では,次期参議院選挙の対応について議論の場が持たれ,まず渡邉敏弘理事長からこれまでの取り組みと7月選挙時までのタイムスケジュールが説明された.
渡邉敏弘理事長:支援者名簿は4月末で締め切る予定である.3月20日現在で支援者名簿獲得数は265,353人,獲得率は94.8%となっている.石井みどり氏は6月24日まで全国を遊説するが,6月26日から公示日までは支援者名簿獲得率の低かった地域を重点的にまわる.

石井みどり後援会活動について(群馬県/松本常男評議員)
 支援者名簿に記入していただいた方に,連盟として礼状は出すのか.
 蒲生 洵副会長:集計した支援者名簿はデータベース化してある.公職選挙法に配慮しながら,何かしらの郵便物を石井みどり氏名義でお送りする.

支援者の獲得について(長野県/池田守人評議員)
 1月30日に石井みどり中央後援会顧問会議を開催し,歯科大学・歯学部同窓会,校友会組織を通じた支援活動等について,各大学同窓会会長,校友会会長に対し協力を求めたというが,具体的には何を求めたのか.
 村田憙信副理事長:連盟非会員に対しては同窓会組織からしか働きかけができない.同窓会名簿の提供をかなりの歯科大学・歯学部から受けたが,個人情報保護法の関係で,連盟から非会員へは支援者名簿を送れない.そのため,鶴見大学歯学部同窓会会長名義で各歯科大学・歯学部同窓会長宛にお願いをし,そこから卒業生へ支援者名簿を発送していただく.

 以上のような意見のほか,次期参議院選挙に対しては様々な意見が出されたが,一致団結して臨むという意思統一で評議員会は締めくくられた.


(2007.01.28)
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