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記者会見の様子.記者からの質問に答える近藤純五郎委員長(円内)は「国全体のきわめて重要な課題と認識しており,できるだけ早く進めたい」と,遅くとも平成20年までには制度運用にこぎつけたい考えを示した. |
去る2月23 日,東京千代田区の財団法人日本医療機能評価機構内の会議室において第1回「産科医療補償制度運営組織準備委員会」が開催され,準備委員会終了後に記者会見がもたれた.
産科医療補償制度は(いわゆる無過失補償制度),昨年 11月末に自民党より政策発表がなされたもので,通常の出産で新生児が脳性マヒになった場合に医師の過失の有無に拘わらず金銭を保障する制度.その運営組織として,財団法人日本医療評価機能機構(坪井栄孝理事長)が挙げられ ており,同財団内に準備委員会が設置されたものである.
産科医療補償制度運営準備委員会(近藤純五郎委員長)は,同制度の運用創設に向けて補償制度等を構築するための体制を確保し,制度の運営主体となる「運営組織」を決定することを目的にしており,第1回の委員会では,自民党社会補償制度調査会で示された“枠組み”をもとに,総合的な議論が行われた.
ワーキンググループと統合調整部会を設置
同制度の検討項目は,保険制度体系,補償範囲,事故分析など多岐にわたることから,第1回の委員会では項目ごとにワーキングチームを設置することを決めた.そして,ワーキングチームを束ねる組織として,総合調整部会(部長は近藤純五郎氏)を置く.今後の流れとしては,まず総合調整部会で企画・立案をし,各ワーキンググループで調査・ 検討する.そして最終決定は,準備委員会で行う.
補償金の財源――出産育児一時金引き上げを前提
補償金の金額については未定であるが,財源については出産育児一時金を引き上げ,その増額分を保険料として徴収し, 民間の保険会社と提携して運用していきたい考え.今後は,補償金額や過失有無の審査基準といった検討項目に加え,何度も事故を繰り返す医師(リピーター)をなくすための再発防止策も視野に入れて議論される.記者会見に出席した河北博文委員は,「単にお金を払っておしまいにするわけではなく,この制度で医療安全の向上,医療の仕組みを改善し,ひいては産科医療を守っていきたい」と述べた.
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