70歳〜74歳の窓口負担に関する要望書
日歯は,これまでも70歳〜74歳の窓口負担を一割から本則二割に戻すことに対して強い懸念を表明してきたが,このたび本件が2014年度からの実施を視野に入れて検討されつつある現況を鑑み,同日,厚生労働大臣に宛てて要望書を提出した.要望書では,政府の成長戦略の柱に「健康寿命の延伸」が掲げられたことに高い評価を寄せながらも,8020運動の成果や諸研究から「健康寿命の尽きる年齢(72歳)と歯の喪失時期が一致する」と指摘.70歳〜74歳という年齢は,歯科的観点から,健康寿命の延伸にきわめて大きな影響を及ぼす時期であるため「窓口負担を本則の二割に戻すことは,受診抑制を招くばかりか健康寿命延伸の妨げになる」と警鐘を鳴らし,以下の3つの対応を求めた.
① 本則に従った二割負担への移行について,可能な限り「窓口一割負担」の特例措置を延長し,その間に健康寿命延伸と健康確保の十分な対策を実施すること.
② 本則に戻すことが避けられないのであれば,低所得者への対策等に万全を期して所得による健康格差を作らないこと.60歳または65歳の歯科検診の実施等,健康寿命延伸に資する方策の体制を速やかに構築すること.
③ 日歯は従来より三割負担でさえも社会保障の限度をすでに超えていると主張してきたが,本則への移行実施の時点で,もはやこれ以上の自己負担を強いる方針はあり得ないと認識し,今後の政策を実施すること.