日歯と連盟の両輪に,8020推進財団と学会を加えた4WD体制へ

 

8月21日に幕を下ろす社会保障制度改革国民会議について,「とりまとめの際に重視してほしい点」を尋ねる質問が会見後に寄せられた.大久保会長は「財源論から始めるのではなく,超高齢社会における医療のあり方,公的保険の充実にまで踏み込んだ報告書となることを期待する」と,社会保障機能の強化に向けて,引き続き声を上げていくことを確認した.

 日本歯科医師会(大久保満男会長)は7月18日,東京・市ヶ谷の歯科医師会館において定例の記者会見を行った.当日は山科 透8020推進財団副理事長も出席し,大久保会長は各組織との今後の連携体制について方針を述べた.
 具体的には,健康増進と医療を密接に関わり合う不可分の領域として捉えることで,同財団や日本歯科総合研究機構とのさらなる連携を図るものである.同財団はもともと健康増進を目的に,8020運動の推進や国民に対する啓発等を主軸に活動してきたが,機構は医療にかかわるデータを収集し,日歯の政策提言の基となる情報を発信する役割を担っている.これからは日歯と,財団と機構と学会,これらの研究部門の各代表者が理事会に出席し,日本の歯科界をどう変えていくのか,日歯の政策をどのように形づくるのか,それぞれの分野における役割分担をしながらより一丸となって協議していく.
 また,山科副理事長は今後「日歯・連盟の両輪に,財団と学会を加えた4WD体制で連携を進めていきたい」と,対外的な姿勢について抱負を語った.他に紹介された内容は以下のとおり.

第174回臨時代議員会
 9月12日,歯科医師会館において第174回臨時代議員会が開催される.当日は代議員会の正副議長の選任,予算決算特別委員会の委員の選任,議事運営特別委員会の委員の選任,の3議題が予定されており,すでに正副議長選挙の公示もなされている.候補者の届出締切は8月8日17時半で,臨時代議員会において投票が行われる予定である.

平成25年度日歯生涯研修セミナー
 7月より順次開催されている平成25年度日歯生涯研修セミナー「健やかに生きるための歯科医療〜人をみる生活をみる口腔をみる〜」について,中島信也常務理事より企画意図が示された.前年度までは“生活を支える歯科医療”の実現に向けて,必要な基礎知識と技術を身につけることを目的に情報提供を幅広く行ってきたが,今年度は講演後に受講者によるディスカッションの時間を設けており,セミナーを通して地域歯科医療のあり方を見出し,日常臨床へ還元することを目指している.テーマは,①歯周病治療や歯内療法の基本的なhow toテクニック,②非伝染性感染症としての歯科疾患,③診断のスキルアップ,の3点に絞られ,特に②では医師が講師として登壇するなど,時機を捉えた初めての試みも窺える.

(2013.07.29)

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