政権与党との政策協議をしっかり行っていく(日歯連)

 

今回の衆議院選挙にあたって,既成政党に関しては,それなりにお付き合いもあり,政策のすり合わせを行うことができたが,維新の会とはすり合わせができなかったため「推薦」はせずに選挙を終えた.今後,当選した日本維新の会・新原秀人氏(近畿比例)とは直接会って話をし,理解し合った上で協力関係を構築したい,とした.

 日本歯科医師連盟(髙木幹正会長)は12月21日,東京・市ヶ谷の歯科医師会館において定例の記者会見を行った.会見では,先に行われた衆議院選挙の結果や次期参議院選挙について,以下のような紹介がなされた.

1.衆議院選挙結果について
 今回の選挙結果(自民党の単独過半数確保)は,大きな風が自民党に吹いたわけではない.第三極をはじめ政党が乱立したが,実際はどこに投票すればよいか迷った国民も多く,投票を見送った人も少なくなかったため低投票率だった.組織が強い自民・公明両党が,あのような結果をもたらしたものと思われる.
 安倍・自民党総裁は,従来から厚生・医療にたいへん造詣の深い方であり,社会保障と税の一体改革(三党合意)などの中で,社会保障についてはしっかり取り組んでいただけるものと信じている.しかし,世論調査を見ると,国民の関心は「経済成長」「景気回復」が高く,次いで「尖閣諸島」「竹島問題」「北方領土」「安全保障」や「憲法改正」などが上位にきており,「社会保障」が(関心の)トップでないことに懸念がある.
 今回の選挙結果について政党幹部の方々とも話をしているが,「後戻りだけは,してもらっては困る」とはっきり申し上げている.医療関係者としては,社会保障,とりわけ国民皆保険制度を持続可能な制度として守っていかなければならないことを強調した.この選挙には,われわれの仲間が12名立候補し,4名が当選した(自民党:渡辺孝一(北海道比例),白須賀貴樹(千葉13区),比嘉奈津美(沖縄3区)の3氏,日本維新の会:新原秀人(近畿比例)氏).結果は,よく頑張っていただいたと思っている.今回,新たに当選された方々とは会合し日歯・日歯連盟の考え方を伝え,早期に密な連携をとっていきたいと考えている.
 われわれは,以前より超党派,かつ人物本位できちっと政策を理解して実現に向け尽力いただける方を支持していく,と主張してきた.一連の経緯を見ていただけばわかるように,われわれの業界団体(組織)が“あの政党に行った,この政党に行った”というブレはなく,現実問題として,政権与党との政策協議をしっかり行っていく,との考えを示した.政策の実現可能性を探れば与党と協議していかなければならず,業界団体としては,政権与党を支えていかなければならない面もある.衆・参でねじれが起きている状況にあり,今後政局がどうなっていくかきわめて不透明であるが,与野党を問わず人物本位で,しっかりと(政策を)理解して実現に向け取り組んでいただける方を応援していく,との姿勢は今後も変わらない.

2.次期参議院選挙について
 次期参議院選挙については,今後の政界再編を見極めながら次の一歩を踏み出すこととなるが,当然,準備はしている.具体的に核になるのは会員の先生方であるため,会員にとって参院選にどういう意味合いがあるかを問い直し,歯科界にとって望ましい結果を出さなければならない.コ・デンタル(歯科医療関係者),歯科大学・大学歯学部同窓校友会の方々,歯科議連(地方議員の組織)等の協力を得ながら,従来とは違った切り口で選挙活動を展開していきたい.ITの利用等,時代に合った形で選挙活動を展開し,前回より少しでも多くの票を獲得し,結果を出すことによって,平時のロビー活動を効果的に行うことができるだろう,との姿勢を明らかにした.


(2012.12.26)

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