歯科衛生士法に関する要望書についてのコメントを発表(日歯連)
髙木会長(円内)は,不透明な政局のもと,大きな課題としては経済成長,財政再建,社会保障と税の一体改革,一票の格差問題などがあり,日歯とすり合わせを行いながらアクションプランをつくっていることを表明した.さらに,厚労省だけでなく,文科省,経産省,財務省にもいろいろな相談に行き,情報収集しながら政治活動を行っている,と述べた.
日本歯科医師連盟(髙木幹正会長)は5月25日,東京・市ヶ谷の歯科医師会館において定例の記者会見を行った.会見では,歯科衛生士法に関する要望書(第2条1項の文言変更)について,次期参議院選挙,政権与党との付き合い方,民主党歯科議連総会,静岡県下田市長選挙,日歯連盟の会員状況などについて,以下のような紹介がなされた.
歯科衛生士法に関する要望書について
3月1日,日歯・日衛が厚労大臣に歯科衛生士法第2条1項の文言変更に関する要望書を提出したが,現行の「直接の指導の下」*の変更については,パイを拡大する観点から,いろいろな活動が可能となることは望ましいとはいえ,これによる懸念があることも明らかにした.
歯科衛生士の修学年数も3年制以上になって,いろいろな意味でグレードが上がってくることが予想される.歯科衛生士に対するニーズも,診療室の中だけでなく地域において施設・在宅など活動の場が増えてきている.「直接の指導の下」* という表現は,歯科衛生士の修学年数が1年制のときにできた歴史的経緯がある.“影響としては,そんなにないだろう”といった意見もあるが,関連したところを精査しないと,法律の文言には書かれていないが一人歩きして解釈されてしまうことがあるのではないか,との懸念がある.
さらに,より採用条件のいいところや,いろいろな条件が整っている就業場所に歯科衛生士が就いてしまう可能性もある.いまでも診療現場では歯科衛生士が不足しているのに,もし(法律が)ゆるんでしまったときに,さらに歯科衛生士の採用が困難になるのではないか,などのマイナス面を懸念している,とのことである.
*参考:「歯科衛生士法」
第2条 この法律において「歯科衛生士」とは,厚生労働大臣の免許を受けて,歯科医師(歯科医業をなすことのできる医師を含む)の直接の指導の下に,歯牙及び口腔の疾患の予防処置として次に掲げる行為を行うことを業とする女子をいう.
1.歯牙露出面及び正常な歯茎の遊離縁下の付着物及び沈着物を機械的操作によつて除去すること.
2.歯牙及び口腔に対して薬物を塗布すること.
次期参議院選挙
従来どおり,「参議院選挙の組織代表については,3月の評議員会で“政党先にありき”ではなく人物本位とし組織選挙をやることが決まったので,ルールに従って粛々と進めていく」と述べた.
従来と違う面としては,政権交代以降,選挙区から選出されている歯科医師の議員にお世話になっている経緯がある.あるいは歯科議連の実績もある.衆・参を問わず,比例区・選挙区においても歯科医師でわれわれと連携してがんばっていただける候補者を応援したいとし,選択の幅を広げ,しかるべき方であれば,物心両面でしっかり取り組んでいきたい,と述べた.
政権与党との付き合い方
日歯連盟は医療関係の業界団体であるので,政権与党と歯科関連政策実現のために協議をしていくことはあたり前のことであるとし,即,選挙とバーターとするのではなく,感謝をしながら別の方法で対応していきたい,と述べた.
選挙に際しても“人物本位”を採っているが,われわれの立場をきちんと理解していただける方をしっかり応援していく気持ちに変わりはない.政治活動として取り組んでいただいたことを会員に情報提供し,知っていただき,会員が認識すれば行動が出てくるだろう,とした.
民主党歯科議連総会
5月15日に民主党歯科議連総会が開かれた.メンバーは180名(衆・参議院)で,議員本人58名,代理58名の計116名の出席であった.今年に入り“歯科議連に入りたい”と希望した議員が10名いる.選挙が近いこともあるが,民主党の歯科議連は人気のある議連になっている,とのことである.
静岡県下田市長選
挙
会員の楠山俊介先生(無所属・新)が静岡県・下田市長選挙に立候補する予定.いまのところ他の立候補者はいない,とのことである(6月17日告示, 24日投票).
日歯連盟の会員状況
日歯・日歯連盟の年齢別会員構成を発表した.平均年齢は58歳 10カ月で,構成比率は50〜54歳(17.47%)が最多である.1年間(平成23年4月〜平成24年3月)で,連盟会員の630名が亡くなったが,入会者数が少ないため全体で381名の減となっている.
日歯・日歯連盟の組織率は82.1%だが,当面の目標として85%にするためにどうしたらよいかを精査している,とのことである.
日頃の活動内容を知らしめることはもちろんのこと,各都道府県・郡市区歯科医師会には連盟の必要性を新入会員に説明していただき,一対一で入会をすすめるのが最も確実ではないかとし,髙木執行部2年目は会員対策を“最重要課題”として取り組んでいくことを強調した.
(2012.05.30
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