“歯科医師会からの提言”第一巻『生活の医療』が刊行(日歯)
『歯科医師会からの提言/食べる――生きる力を支える』シリーズの刊行を受けて.倉治ななえ常務理事(広報担当)によると,第一巻『生活の医療』は,amazon.comなどのインターネット書店へ特に力を入れて配本しているとのことである.
日本歯科医師会(大久保満男会長)は2月23日,東京・市ヶ谷の歯科医師会館において定例の記者会見を行った.冒頭の挨拶で大久保会長は,中央公論新社より刊行される書籍『歯科医師会からの提言/食べる――生きる力を支える』三冊シリーズの第一巻目となる『生活の医療』が同月25日に発売されることを受け,自らも編著者として携わった同書について説明した.
第一巻は,シリーズ全体のテーマでもある“歯科医師会からの提言”のとおり,「今の日本の医療や超高齢社会の現状を,歯科医師としてどう捉え,歯科医師会としてはどう対応していくのか」ということを念頭に置き,高齢者の健康や医療,地域社会の在り方などについて,さまざまな視点からの対談を中心にまとめられている.また,日歯会員をはじめとする歯科医療関係者はもちろん「まずは健康や医療に関して意識の高い国民の方にも読んでいただきたい」と,読者の対象を幅広い層に据えていることを明らかにし,生活を支える歯科医療に関する理解をさらに広めていきたいという抱負を語った.また,他に紹介された内容は以下のとおり.
公認スポーツデンティスト(仮称)養成概要
日本体育協会と日歯が共同で実施する“公認スポーツデンティスト”の養成については,現在,開催の方法や内容についての協議が行われている.研修の概要としては,基礎(スポーツドクターと同じ会場で同じ科目を受講)と応用(スポーツ歯科医学に特化した内容)とに分かれ,2年間にわたって段階的に受講していく仕組みである.初回の養成人数は30〜50名程度を予定しているが,スポーツ歯科の重要性に関してはまだまだ社会的認知度が低いことから,養成と併せて,国体などスポーツデンティストが活動できる場を広げていくことが大切である,とした.
災害時対策・警察歯科総合検討会議の中間答申
東日本大震災を受けて,日歯の「大規模災害時の歯科医師会行動計画」(平成22年8月発刊)が見直しを求められている.また,身元確認作業の円滑化および環境整備への対策や,IT化の促進と検索ソフトの全国統一化,生前歯科所見のデータベース構築なども検討会議にて協議され,大規模災害時における関係省庁との連携の見直しも併せて進められている.これらの修正・検討には未だ時間を要するが,先の震災にまつわる第一の教訓として早期の意見集約を図る目的から,このたびの中間答申とした.
災害コーディネーターの養成
日歯はこれまで,身元確認作業や災害歯科保健医療に関して調整役となる“災害コーディネーター”の養成を行ってきたが,全国各地からの要望を受け,平成24年度からはこの研修会を全国7地区に拡大して開催することを決定した.これは先の震災で浮き彫りになった課題を踏まえ,総合的な研修を行うことで,災害時に的確かつ迅速な対応ができるよう体制の整備を目指すものである.
(2012.03.07
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