安心・安全な歯科医療供給体制のために(日歯)
次期診療報酬改定は介護報酬改定と同時に行われるということもあり,内容は在宅医療が中心になると予想されるが,大久保会長は「共通認識を持ちながらも,最終的に歯科としての重点項目を精査したうえで改定に備えたい」とまとめた.
日本歯科医師会(大久保満男会長)は9月22日,東京・市ヶ谷の歯科医師会館において定例の記者会見を行った.会見最後の質疑応答の場で,大久保会長は,平成24年度診療報酬・介護報酬同時改定に対して「プラス改定を実現しなければ,歯科医療の再生はまだまだ困難である」とし,まずは指針に沿って重点項目を絞りながら「10月下旬〜11月頭頃には歯科としての数字の要求を出していきたい」と述べた.また,他に紹介された内容は以下のとおり.
中医協,社会保障審議会報告
歯科にかかわる論点として,①検証部会の調査結果報告,②東日本大震災被災地(東北3県)からの要望,③受診時定額負担増への対応,の3つが挙げられた.
①では歯科技工加算や明細書発行の問題について,実情に合わない算定要件や,実際の医療行為と明細書記載内容との相違など,トラブルのもとになり得る内容が改善課題として取り上げられた.また,②では歯科での対応が遅れている最寄りの医療機関までの交通手段を持たない高齢者に対して,「ぜひとも訪問歯科診療を認めていただきたい」と引き続き声を上げていく考えを示した.そして③では一貫した反対意見と見解のもと,疾病を抱えた弱者にさらなる負担を強いることに強い疑問を改めて示した.
「心のケア」相談窓口プロジェクト
国際医療福祉大学など関係諸機関との間で進める準備は大方整い,10月6日には相談窓口を開設できるとした.対象は被災地での身元確認・歯科口腔保健活動に従事した歯科医療者1,095名であり,すでに「心のケア調査票」を送付し,200枚程度が回収済みである.また相談窓口には臨床心理士2名が待機し,週に1回の電話相談に応じる.
三次補正予算に関する要望
日歯および連盟は,一次および二次補正予算では叶わなかった要望について,7日に厚生労働省へ要望書を提出した.特に,休日・救急歯科診療等を行う診療所への医療施設等災害復旧費補助金の交付や,二重債務問題に対する既存債務の買い取りや補助について,引き続き公的機構や国に求めていく.
税制改正に関する要望(重点項目)
日歯は同日,厚生労働部門会議のヒアリングにおいて,消費税,事業税,所得税・法人税の3点を重要項目に据え,特例措置の創設や存続を訴えた.具体的には,消費税に関して「社会保険診療報酬などに対する非課税制度を仕入税額控除が可能な課税制度に改め,かつ患者負担を増やさない制度に改善」することを提案し,それまでの緊急措置として「医療機器などの仕入税額控除を認める特例措置の創設」を,事業税に関しては「診療報酬に対する非課税の特例措置の存続」,所得税・法人税に関しては「診療報酬の所得計算にまつわる特例措置の存続」を強く求めている.
(2011.10.13)
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