「歯科口腔保健の推進に関する法律」成立を受けて(日歯)

 
 


歯科口腔保健法の成立を受けて開かれた臨時記者会見の様子.本法は公布日が施行日となるため,官報に掲載された時点で施行となる.円内は左から,大久保満男会長(日歯),髙木幹正会長(日歯連),石井みどり参議院議員,西村まさみ参議院議員.

8月2日,第177回国会において歯科界の長年の悲願であった「歯科口腔保健法」(歯科口腔保健の推進に関する法律)が可決・成立したことを受け,日本歯科医師会(大久保満男会長)は翌3日,東京・市ヶ谷の歯科医師会館において臨時記者会見を開催した.
 冒頭の挨拶で大久保会長は,まず国の歯科保健を定める基本法がようやく成立したことに喜びを表すとともに,「ご尽力いただいた議員の先生方や,歯科と隣接する科の多い日本医師会にも多大なるご協力をいただいた」と改めて感謝した.しかし,本法の制定を評価しつつも,施策の義務付けがあくまでも“努力義務”であることに触れ,たとえば成人歯科健診など国民の健康を生涯にわたって支えていくためには「保険者や国民に働きかけ周知を図ることが必要」と,来年2月に東京国際フォーラムにてシンポジウムの開催予定があることを明らかにした.
 続けて日歯連盟の髙木会長が挨拶に立ち,「歯科口腔保健法はあくまでも理念法だが,これを限りなく実行法に近い形で実現できるよう進めていきたい」との決意を改めて述べた.また,そのためには日歯と協力しながら本法を精査して活用につなげる必要があり,歯科政策の具現化に寄与するため,行政の中にも歯科保健を推進するプロジェクトや遂行部署等の設置・運営が叶うよう働きかけていく,とした.
 なお,会見には本法成立の立役者となった石井みどり参議院議員や西村まさみ参議院議員も駆けつけ,「ねじれ国会のなか歯科関係議員6人全員が協力し,党派を越えて成立した法律であり,実行性のある施策へつながるよう“ここからがスタート”という気持ちで頑張って参りたい」と,それぞれの決意と抱負を語っていた.

(2011.08.10)

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