「歯科口腔保健の推進に関する法律」成立への期待(日歯)


 
 


大久保会長は「法律の制定がゴールではなく出発点であり,この先どう生かしていくかが行政やわれわれ日歯に課された責務である」と,歯科口腔保健法に対する決意を改めて述べた.

日本歯科医師会(大久保満男会長)は7月21日,東京・市ヶ谷の歯科医師会館において定例の記者会見を行った.冒頭の挨拶で大久保会長は,このたび国会での立法に向けて最終調整に入っている“歯科口腔保健の推進に関する法律案”について触れ,「ありがたいことに歯科関係以外の議員にもご協力をいただき,党派を越えてまとめている最中である.現在は19の道県および7つの市町で歯科口腔保健条例が施行されているが,今回“国の法律”として制定されることで,他の都道府県や市町の条例づくりの促進にもつながる」と期待を滲ませた.
 なお,参議院の厚生労働委員会は26日の12時過ぎに委員会を開き,同法案が委員長提案で起草され,与野党の賛成を得て可決された.以後は参議院本会議において上程,承認を得た後,衆議院に上程されることとなる.
 また,続けて紹介された内容は以下のとおり.

歯科医師国家試験の出題形式が変更
 厚生労働省の7月1日付け公告によると,2012年の第105回歯科医師国家試験から試験問題の出題形式が変更される.具体的には,正解肢数を指定せずに選択させる形式での出題を可及的に減じ,代わりに計算問題や多選択肢形式(7つの選択肢から正解を選ぶ)等の出題を取り入れるとのこと.

日体協へ要望書を提出
 日歯はスポーツにおける歯科の関わりについて,日本体育協会へ要望書を提出した.来年の第67回国民体育大会(岐阜県開催)から会場に歯科のブースが設けられるなど,スポーツにおける歯科医師の参画は徐々に進んでいるが,同協会の実施する“公認スポーツドクター講習会”には現在,歯科医師の参加が認められていない.そのため,これを目下の課題として検討を要請した.

東日本大震災関連報告
 日歯からの歯科医師の派遣は,口腔ケアならびに身元確認について7月末で終了する.歯科診療車は現在3台(京都・広島・日歯)が被災地で稼働しているが,引き上げ時期は未定である.また第一次補正予算による仮設歯科診療所の設置・稼働状況は地域によってばらつきがあるが,県行政や市町村,地元歯科医師会との調整が終了次第,順次準備に取り掛かるとのこと.なお6月30日現在,仮設歯科診療所は岩手県11カ所(うち稼働開始2カ所),宮城県6カ所,福島県1カ所での設置が予定されている.

(2011.07.27)

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