|
 |
|
一般の報道関係者が多数参加し,会場は満席であった.超高齢社会を迎え,歯科医療に対する関心がいっそう高まっていることがうかがえた..
|
社団法人日本私立歯科大学協会(中原 泉会長)は去る6月22日,東京・千代田区のコンファレンススクエア エムプラスにおいて第2回歯科プレスセミナーを開催し,多方面の報道関係者が多数参加した(第1回のセミナーの様子は,昨年10月14日付のHPヒョーロン・ニュースを参照).
はじめに,安井利一副会長・専務理事から協会の設立経緯や活動内容について説明がなされた後,「くらしを守る,いのちを守る口腔機能」と題して菊谷 武先生(日歯大口腔介護・リハビリテーションセンター長)が講演を行った.この中で菊谷先生は,近年,誤嚥や窒息を起こす高齢者が増加している原因として,加齢や脳血管障害などによる運動障害性咀嚼障害が大きく関わっていると指摘,また,口腔におけるサルコペニア(筋肉減弱症)が食べる機能の低下を招き,全身のサルコペニアに拍車をかけている可能性があるとし,高齢者のQOLを保つために口腔機能を維持することがいかに大切であるかを解説した.その上で,「歯科医療は,歯を守ることだけではなく,食べること全体を支え,誤嚥や窒息のリスクをいかに減らすかという取り組みにまで拡大している」と述べ,超高齢化社会において口腔の専門家である歯科が担う役割とその重要性について言及した.
続いて新谷 悟先生(昭和大歯・顎口腔疾患制御外科学教授)が「歯科医師は口腔がんのキーパーソン」と題する講演を行い,わが国における口腔がんの罹患者は年間約7,000〜8,000人に上り増加傾向にあること,喫煙や飲酒,炎症による口腔粘膜の障害などが口腔がんの危険因子であることなどを解説.口腔内は目に見えるため早期発見・早期治療が可能であり,十分に教育された歯科医師による定期的な観察が口腔がんの予防につながるとし,国民への口腔がんの周知と検診システム構築の必要性について強調した.
健康で生き生きとした生活を送るためには,口腔の健康を保つことが大切だと広く国民に知ってもらうために,非常に有意義なセミナーであったと思われる. |
|
|
|