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左から会見を行う笹川陽平会長,sfmの日菜あこさん.被災地の海中を調査する水中ロボット「Mitsui RTV.N-100 EXYクラス」.
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去る6月21日,日本財団(笹川陽平会長)は東京・港区の日本財団ビルにおいて記者会見を行い,東日本大震災の被災地・者支援のために売却を予定していた,姉妹財団である日本音楽財団が保有する1721年製のストラディヴァリウス・ヴァイオリン「レディ・ブラント」が20日,ロンドンのオークションで1,589万4,000ドル(約12億7,000万円)で落札されたと発表した(5月6日付のHPヒョーロン・ニュースを参照).これはストラディヴァリウスの落札額としては過去最高額の4倍以上だという.笹川会長は,売却収入について「東北の元気を取り戻すために,文化活動の支援に使う」とし,日本財団の東日本大震災支援基金に一度寄付された後に「伝統芸能復興基金」を創設して,被災地域の年中行事や芸能,祭りの支援などにあてられる.
会見では,その他の被災地・者に対する第三次支援策について,以下のように紹介がなされた.
福島原発事故に対する放射線と健康リスクを討議する国際専門家会議の開催 9月11・12の両日,福島県立医科大学において,「放射線と健康リスク―世界の英知を結集して福島を考える」とのテーマのもと,放射線医学分野における国内外の第一人者の医者や学者を集め,放射線とその健康リスクを討議する国際専門家会議を開催する.特に乳幼児,母親の健康を中心課題とし,専門家からの提言を得て正しい情報提供を行いたいとしている.
水中ロボットによる被災地の海の再生力探査プロジェクト
全国漁業協同組合連合会,東京大学海洋アライアンス等と連携し,7月上旬,沿岸漁業・養殖漁業場を抱える被災地域の約10カ所を対象として,水中探査ロボットを利用した海中のがれきや環境変化の調査を実施する.調査結果は地元の漁業・水産業関係者に周知し,今後の事業の再開や復興に向けた準備・計画の一助とする.
海洋関連高校へ教習艇等を支援
被災地域に所在する水産高校等の海洋関連学科を有する高校では,津波で教習艇や実習艇が流され,損壊する被害が生じたため,岩手・宮城両県の高校5校に対し,教習艇等13艇を配備する支援を行う.
「sfm」との連携による母親支援
「Stand for mothers」(sfm)とは,ギャルママ(茶髪や厚底サンダルを履いたギャルのような母親)に人気の雑誌『I LOVE mama』やギャルママサークル連合「GAL×BABY」などが中心となり,「被災地のママや子供たちを,全国のママたちが支援する」目的で組織されたコミュニティで,被災地の母親たちの「今一番助けてほしいこと」と,それをサポートしたい全国の母親たちの「自分が支援したいこと」をメールとインターネットを介してマッチングし,今最も必要とされる支援を実現するプロジェクトである.日本財団は「sfm」の活動に賛同し,連携して被災地の母親支援を推進する.sfmを代表して会見した『I LOVE mama』の専属モデルである日菜あこさんは,「物資の支援のみならず,母親と子供の精神的なケアをするために被災地に足を運び,会話を通して少しでもストレスを和らげてあげたい」と今後の展望について語った.
被災障害者のための仮設福祉ハウス「日本財団ホーム 小国の郷」を開所
通常の仮設住宅での生活が困難で,自立生活に向けての支援が必要な被災障害者のための仮設福祉ハウス「日本財団ホーム 小国の郷」を宮城県石巻市に整備する.「小国の郷」は,世帯向け40棟,単身グループホーム向け2棟の計42棟を仮設,スタッフを24時間待機させ,障害者とその家族約150人が入居できるようにする. |
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