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6月3日に開催される中央社会保険医療協議会で議論される医療経済実態調査の実施について,大久保会長(円内)は「(東北地方大震災という非常事態が発生した折から)調査の結果が必ずしも次期改定につながらないのであれば,実施に反対ではない」と述べ,“条件付き賛成”との意向を示した.
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会見の同日,日歯会館から岩手県釜石市へ向けて移動歯科診療車が出発した.同車は,日本大学松戸歯学部から寄贈されたもので,現地の歯科医療関係者に引き渡された後,日歯所有のものとして必要期間まで利用される.なお,被災地では5月25日時点で計4台の診療車が稼働している.
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日本歯科医師会(大久保満男会長)は5月26日,東京・市ヶ谷の歯科医師会館において定例の記者会見を行った.冒頭の挨拶で大久保会長は,日本医師会(原中勝征会長)が同月19日に平成24年度診療報酬・介護報酬同時改定の実施見送りを求める方針を示したことについて,「改定の実施については,現時点で日歯から何らかの見解を示すことはない」と述べ,引き続き慎重な議論を重ねていく姿勢を示した.
また,会見では東日本大震災の被災地における身元確認作業や日歯年金適用利率などについて,以下の紹介がなされた.
歯科的所見による身元確認作業について
5月25日までにまとめられた被災地域での身元確認作業に関して,福島県相馬警察署管内で身元確認がなされた479遺体のうち111件が歯科的所見から身元が判明したという.同管内では,着衣や所持品から全体の7割以上の身元を特定したが,日歯は「科学的見地による身元確認では,歯科的所見が特に効果的であった」との認識を示した.
平成22年度日歯年金適用利率はマイナス0.64%
会見前の理事会において,平成22年度の日歯年金適用利率がマイナス0.64%に決定.東日本大震災や原発事故が嫌気され,投資家のリスク回避姿勢が強まり(金融商品価格が)大幅に下落したことにより,マイナス利率になった.これにより,平成23年4月分からの年金額(同年7月給付分)が改定され,上記適用利率と日歯年金制度の基準利率である2.5%との差から,マイナス3.14%分が現行の年金額から減額される.また,受給待機者については,平成23年3月までの元利合計からマイナス0.64%分が減額される.
歯学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議が開催さる
歯学教育における質の向上や教育内容の充実を目的に,文部科学省が主催する「歯学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議」が,5月25日に行われた.それによると,今年度の歯科大学・歯学部への入学者数は2,158名であり,文科省が削減計画として設定している2,320名を下回っているため,「入学者数の問題に関しては,現状のまま推移していくだろう」との考えが示された.一方で,各大学によって入学定員の削減状況や入試での競争倍率に差があったことから,「“学生の質”の確保については,引き続き検討する必要がある」とした.
また,会議では平成21年1月にとりまとめられた第1次報告をふまえ,今後のフォローアップの進め方について協議がなされた.具体的には,教養試験の位置づけや各大学による参加型実習の普及などを基本的な方針として,今後の検討を進めていく予定. |
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