東京都歯科医師会が記者会見を開催
第一次と同じ顔ぶれとなった,第二次浅野執行部.日歯への要望としては,がん患者に対する口腔ケアを挙げ,「ぜひとも協力していきたいが,具体的な内容が伝わっていないので早急に詳細を伝えていただきたい」と述べた.
東京都歯科医師会(浅野紀元会長)は4月28日,東京・市ヶ谷の歯科医師会館において,第二次浅野執行部の新たな任期のスタートとなる記者会見を開催した.
はじめの挨拶で浅野会長は,今期の方針については前期の取り組みを引き続き進めていきたいとしながら,「歯科医師会や大学,歯科医学会の三者が協力体制を敷くことで今後の歯科界を変えていく」とし,「今期はさらなる協力体制づくりに努めたい」との構想を語った.
新公益法人の取得
現在,福祉共済事業などの事業費率が公益認定の条件となる50%に達していないなど,なかなか難しい面もあるが,対応を検討しながら早急に進めていきたい,とした.
組織力の強化
具体的には未入会対策に触れ,新聞社や大学と連携した都民および歯学生・研修医へのPR活動,体験入会や,入会資格を広げるための体制の整備などを挙げた.
都庁に対する要望書
最重要課題として(1)予算,(2)大規模災害時のデータベース,(3)在宅歯科診療,(4)歯科衛生士の再教育,を挙げた.(1)は主に口腔がんの啓発活動について言及し,今年度の予算としては実現できなかったものの活動への理解は得られたとした.(2)は先の大震災を経て都の考えも変わりつつあり,今後も積極的に進めていきたいとしている.(3)は日歯との連携も取りながら,(4)は結婚や出産を機に職場を離れた歯科衛生士が再び戻れるような仕組みとして構築していきたい,とした.
歯の衛生週間行事(上野動物園)
先の大震災により開催が危惧された面もあったが,例年よりは規模を縮小しつつ開催するとのこと.また福島第一原子力発電所の事故により,都内でも大勢の方が避難生活を送っていることから,福島県からの避難住民は無料で招待するとした.
東日本大震災への対応
3月13日に緊急災害対策本部を設置.日歯からの要請を受けて岩手・宮城・福島の3県における身元確認作業への派遣要員を確保するべく,電話にて会員に協力を募り,最終的には約290名からの協力を得た.翌14日には第1回対策本部会議を開き,班編成や作業手順など専門家を交えて確認した.また都内の歯科診療所における被害調査を実施し,会員の被害状況については同月25日時点で25件(うち液状化現象による被害3件/人的被害・軽傷1件)となっている.併せて被害に遭われた方々の口腔ケアを各地区歯科医師会へ依頼し,口腔ケア用品の提供を行った.なお4月21日には都内の避難所を訪問し,これから長引くであろう避難生活に対する今後の対策として,避難者や避難所の看護師・関係者からの要望も集めた.現在は義援金・見舞金として募金への協力を会員に対してお願いしているところである.都歯としては東北3県の歯科医師会へそれぞれ100万円の送金を行った.また地区歯科医師会・連盟からの見舞金に関しては,茨城や千葉など他の被災県も視野に入れながら検討している.
(2011.05.17)
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