日本財団 定例記者懇談会
東日本大震災支援のためにストラディヴァリウスの売却を決定

 
 


オークションにかけられる1721年製ストラディヴァリウス・ヴァイオリン「レディ・ブラント」(Photos by S.Yokoyama).

去る4月28日(木),日本財団(笹川陽平会長・写真)は,東京・港区の日本財団ビルにおいて,定例記者懇談会を開催した.
 冒頭の笹川会長による挨拶および活動内容紹介では主に東日本大震災への支援に関し述べられた.これに続き,理事長・尾形武寿氏が2011年度事業計画・収支決算について公表した後,日本財団の活動内容について,それぞれの担当者から下記のような紹介が行われた.

日本の社会情報を多言語(国連公用語6ヵ国語)でウェブサイトから発信【一般財団法人ジャパンエコー 理事長・原野城治氏/会長・笹川陽平氏】:今年10月に英語,中国語,フランス語,スペイン語,日本語による多言語発信サイトをスタートさせ,2年後を目途にロシア語,アラビア語による対外発信体制を確立する計画である(助成金3億円).
日本財団アール・ブリュット(障害者等アート)作品支援プロジェクト【公益・ボランティア支援グループ アール・ブリュットチーム 溝垣春奈氏】:アール・ブリュットとは,伝統や流行,教育などによらず,内側から湧き上がる衝動を表現した芸術のことで,「アウトサイダーアート」とも呼ばれる.日本の障害者などが創ったアート作品の収蔵環境の整備と管理,作家の権利保護,普及活動などを支援する.
東日本大震災支援のためにストラディヴァリウスを売却【日本音楽財団 理事長・塩見和子氏】:日本財団の姉妹財団である日本音楽財団は,このたび東日本大震災支援のため,保有する1721年製のストラディヴァリウス・ヴァイオリン「レディ・ブラント」(写真)を売却することを決定した.同器は,日本音楽財団が保有する世界最高クラスの弦楽器21挺の中でも最高の1挺とされている.来る6月20日,ロンドンでオークションが行われ,売却収入は日本財団の東日本大震災支援基金に寄付されるが,「ぜひとも,すばらしい値で落札していただいて,被災地(者)の支援に役立てたい」と,理事長の塩見和子氏は語った.


(2011.05.06)

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