|
 |
|
笹川会長(右)は,「Tooth Fairyプロジェクトに日歯のような全国的規模の組織が協賛していることは,慈善事業として意義深く,より多くの歯科医院に理解し,参加してもらいたい」と述べた.また,大久保会長(左)は昨年まで行われたミャンマーの学校建設について触れ,「今後は,本来の目的である建設地域の自立支援のため,視察の際に歯ブラシを1,000本寄付するほか,現地の児童の口腔検診と教師への口腔指導を実施したい」とした.
|
|
 |
|
「海のみえる森」代表の細谷亮太理事長(右)と「チャイルド・ケモ・ハウス」理事の萩原雅美氏(中央)と田村亜紀子氏(左)から,それぞれの施設運営の概要に関する説明がなされた.
|
日本財団(笹川陽平会長)が主催し,日本歯科医師会(大久保満男会長)が協賛する社会貢献活動「Tooth Fairyプロジェクト」に関する記者会見が2月22日,東京・虎ノ門の日本財団ビルにおいて開催された.同プロジェクトでは,歯科撤去金属のリサイクルから得られた資金で,これまでにミャンマーの山岳地帯に10校の小学校を建設した.
会見では,国内で初となる「小児ホスピス」と「小児がん専門施設」を開設する事業計画についての紹介と,撤去金属の中から資金となる金属を抽出する作業について以下のような説明がなされた.
国内に建設される2施設について
小児ホスピス「海のみえる森」(代表:細谷亮太聖路加国際病院副院長)
これは,生まれつきの重い障害や治すことが難しい病気で生きられる時間が限られた小児と,その家族への休息施設の提供と緩和ケアの実施を目的としている.同施設は2012年7月の完成を予定しており,大磯町東小磯の元大磯倶楽部旬庵と近隣の住居を利用して,子どものみ,または親子で最長1週間(年間)の宿泊が可能となる.運営費や改装費などは,同施設内に設置し一般開放もされる「ツリーハウス」の入場料のほか,一般企業や個人による寄付と行政の助成などでまかなう予定.
小児がん専門病院「チャイルド・ケモ・ハウス」(代表:楠木重範 大阪医療センター小児科医)
これは,「夢の病院は家」というコンセプトをもとに神戸市に設置し,小児がん患者とその家族の治療中におけるQOL向上を図ることを目的としている.神戸市中央病院や神戸大学医学部附属病院などとの連携のほか,地域の歯科医師が治療中の小児の口腔ケアを行うなど,医療スタッフ間での連携も図ることになるという.建設する土地は神戸市から無償で貸与されており,2013年の4月に開設する予定.
撤去金属の抽出について
資金となる金属は,全国の参加歯科医院(2月21日時点で3,234医院)から日本財団に送られた歯科撤去金属を,日歯立ち会いのもとリサイクル業者に引き渡し,そこで換金の対象となる金・銀・プラチナ・パラジウムをそれぞれ抽出する.寄付金額の総額は2月21日時点で165,887,426円となっているが,日本財団では引き続き参加歯科医院を募集し,今後2年間で上記の国内2事業に対する支援予定金額(約4億1,000万円)確保をめざす.

2月21日時点で日本財団に引き渡された金属の総重量(容器込)は,538.4512Kgとなっている. |

披露された金属はすべて回収した入れ歯や金歯から抽出したもので,左から金・プラチナ・パラジウム・銀が並ぶ. |
|
|
|
|