○○○×○××○××○表₁ 歯周組織再生療法で用いられる骨補塡材の特徴(文献₁)より)自家骨日本歯科評論 増刊 71growth factor/線維芽細胞増殖因子)を用いた再生材料が販売され,広く臨床応用されている.再生材料のみならず,マイクロスコープを用いた低侵襲な外科処置やフラップデザインの考案も進み,歯周組織再生療法の臨床成績を大きく伸ばしてきたといえる.また,研究段階ではあるものの,歯根膜シートによる細胞移植や3Dプリンタを応用した骨補塡材の開発などが行われており,今後のさらなる発展に期待が高まっている. 組織工学に必須な3要素として「幹細胞」「シグナル伝達分子」「担体(足場)」が提唱されており,上記のようにこのコンセプトに基づいた細胞移植や成長因子,骨補塡材の開発が進んでいるが,歯周組織再生においてこれらをすべて理想的に満たす再生治療は未だ存在しない.また,歯周組織再生療法における治療結果の不確実性についても未だ存在している.個体としての要素,口腔単位での要素,歯/歯周組織単位での要素に加えて,術者の経験や技術も含めて,類似した骨欠損に対して同じ再生材料を用いたとしても同じ結果が得られないことが多い(年齢,全身疾患,喫煙,糖尿病,プラークコントロール,歯種,骨欠損形態,角化歯肉幅,歯肉の厚みなど). 歯周組織再生療法にはさまざまな骨補塡材,メンブレン,生理活性物質などの再生材料が用いられているが,万能で理想的なマテリアルは存在していない.また,それらの優劣や併用療法における付加的効果も未だ明確でない部分が多く,適応症の是非についても判断が難しいのが実際である. しかしながら,材料の特性を熟知したうえで,現時点でのコンセンサスに基づき,術者なりの判断根拠を持って症例に応じた適切な選択が求められる.本稿では厚生労働省の認可を得ている再生材料(骨補塡材,メンブレン,生理活性物質)を中心に,それらの特性と臨床における留意点について解説していく. これまで長期にわたって世界中でさまざまな骨補図₂ 骨補塡材の特徴(文献1)より).骨補塡材骨形成能骨誘導能骨伝導能他家骨×:FDBA△:DFDBAFDBA/凍結乾燥骨,DFDBA/脱灰凍結乾燥骨骨形成能Osteogenesis骨誘導能Osteoinduction骨伝導能Osteoconduction異種骨移植材に含まれる前骨芽細胞および骨芽細胞が実際に新生骨形成を促進する能力移植材に含まれる成長因子が未分化間葉系幹細胞を刺激し,新生骨形成を促進もしくは誘導する能力移植材が足場として隣在する既存骨に由来する前骨芽細胞および骨芽細胞の遊走,増殖を促し,新生骨形成を促進する能力人工骨各再生材料の特徴骨補塡材
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