サポーティブ・インプラント・セラピー
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-① 初診時48歳の女性.歯周治療後,₆部にインプラント治療を行った(a).埋入時,頬側の歯槽骨が裂開していたため,自家骨移植を併用したGBR法を同時に行った(b).よび遠心部に歯槽頂切開を加える.病変部にアクセスが困難な場合には,頰側の近心または遠心部に縦切開を加える. ② 剥離・PMTC 骨膜剝離子を用いて全層弁(粘膜骨膜弁)を剝離する.骨欠損内の軟組織(肉芽組織)は,フラップ内面に付いてくるか,骨欠損内に残る. 骨欠損内の肉芽組織はキュレット型スケーラー等を用いて除去するが,PMTCにニッケルチタンブラシを用いる場合には,肉芽組織もニッケルチタンブラシを用いると効率よく除去できる.インプラントのスムースサーフェイス(ZoneB)はガーゼ等を,ラフサーフェイス(ZoneC)はニッケルチタンブラシを用いてバイオフィルムを除去する. ③ 縫 合 粘膜骨膜弁を元の位置にもどして,縫合する.aabbChapterⅣ ₃-step SITの実際   117₄-22). アクセス型フラップ手術では,術後の粘膜および骨欠損形態は術前とほぼ同じである.切除型フラップ手術では,術後に粘膜は退縮する.再生療法では,術後に骨欠損部が再生し,粘膜の形態は術前とほぼ同じである.₂.アクセス型フラップ手術(1)目 的 器具の到達性が目的である.具体的には,Zone BおよびZone Cをニッケルチタンブラシ等を用いて確実に清掃することが目的である.(2)治癒形態 粘膜の形態は術前と同じか,少し退縮することもある.周囲骨の再生は期待していないが,再生することもある.(3)適応症 インプラント周囲粘膜炎および比較的骨欠損が小さい軽度のインプラント周囲炎.(4)術式(図₄-23) ① 切 開 インプラント周囲溝内切開として,インプラント周囲溝から骨欠損底部まで内斜切開,および近心おCASE■ 上部構造を除去できなかったため,外科的に対応した症例(1)インプラント周囲疾患発症までの経過 患者は初診時48歳の女性で,歯周治療後,6部にインプラント治療を行った.埋入時,頰側の歯槽骨が裂開していたため,自家骨移植を併用したCASE17上部構造を除去できなかったため,外科的に対応した症例

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