図₄‒₂ 粘膜縁下部のポリッシング後,超音波洗浄した上部構造は,過酸化水素水,ハイクロソフト水,エタノールの順に薬液にて消毒を行っている.図₄‒₄ 余剰セメントがセット時に排出されるよう,遁路を付与した上部構造(a).セット時には遁路はセメントで封鎖される(b).図₄‒₃ スクリュー固定式の上部構造は,ドライバーを挿入し,アバットメントスクリューを除去することにより簡単・確実に上部構造を除去できる.はあるが,スリットの形態や位置に問題があると,その機構を活用できない.除去用スリットの寸法が専用のドライバーよりもわずかでも小さいと,ドライバーを挿入することができない.逆にわずかでも大きいとドライバーがスリット内で遊んでしまい,力を十分に伝えられないため,除去できないことがある. また,スリットの位置が悪いと,口腔内ではドライバーの挿入自体ができないということも起こりえる.したがって,上部構造を口腔内に装着する前の試適の段階で,スリットの形態と位置を確認し,問題がある場合には歯科技工士に伝えて修正しておく必要がある.aabbを使用している(図₄-₅).専用のマイナスドライバー(インプラントリムーバー M-HR,YDM)をこのスリットに挿入して回転させることにより,セメントで固定した上部構造をアバットメントから外すことができる(図₄-₆).しかし,この専用ドライバーを備えていない医院では,この除去用スリットを活用できない. 除去用スリットを付与したアバットメントの作製には,カスタムアバットメントを使用するため,当科ではセメントのインプラント周囲溝への洩出防止のため,臼歯部では上部構造のマージンを粘膜縁上に設定している. 除去用スリットは,除去する際には有効な機構でChapterⅣ ₃-step SITの実際 95
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