図₂ 下顎正中部における舌側孔.CBCT画像からは舌側部に孔が存在していることが確認できる(赤矢印部).渡邉ら14)は,IODを予定している下顎無歯顎患者22名において,術前のCBCT画像を調査した結果,86%(19症例)において正中部に舌側孔を認めたとし,歯槽頂から平均10.3mm下方に存在していたとしている.図₃ 下顎₂-IODを希望した患者.前歯部の骨量には問題ないが,高齢であったため手術侵襲を軽減する目的で,長径6.5mmのインプラント体を埋入している.なお,正中部には,免荷のために暫間インプラントを設置している.PartⅠ IODを使いこなす 21aabbbbaa むしろ,下顎IODで埋入の対象となる下顎前歯部は比較的骨密度が高く,加えて正中部には舌側から舌下動脈の分枝が骨内へ侵入していることが多いため14)(図₂),不必要に長いインプラント体の適用は,埋入窩形成時の火傷や過度の初期固定,異常出血などのリスクがある(図₃). 一方で,上顎では,ショートインプラントを使用した症例報告もあるが,一般的に
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