IODとIRPDの疑問を解決 Q&A
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オランダイギリスシンガポール韓国カナダ日本ノルウェーフィンランドギリシャスウェーデン(%)1009080706050403020100図₂ 10カ国におけるインプラント治療の固定性/可撤性の割合(文献₃)より).半数以上の国において固定性インプラント補綴の割合が大きいが,国によって状況が大きく異なることがわかる.これには,歯科医師や患者による選択のみならず,各国の医療保険制度の違いによるところも大きい.一方でこれらの結果は,各国の補綴あるいはインプラント専門医に対してのアンケート調査に基づくものである.ただし,日本のデータは九州地区に限定されたものであるので,注意が必要である.PartⅠ IODを使いこなす   9IOD固定性 一方で実臨床において,読者諸氏は無歯顎患者に対してどの程度,IODを適用しているであろうか? Carlssonら₃)は,10カ国の補綴歯科専門医に下顎無歯顎患者に対するインプラント治療の適用状況を調べた結果,一部の国を除いて,IODよりも固定性インプラント補綴の適用割合が高く,IODの適用は治療費の軽減が主たる理由であった,と報告している(図₂).すなわち,依然として多くの補綴歯科専門医にとって,固定性インプラント補綴による機能回復が最も効果的であり,IODは妥協的な治療法として捉えられている,とも言える.しかしながら先のコンセンサスを含め,IODにより主観的評価や口腔機能を向上させることが可能である,とさまざま報告されており,これらの効果を最大限に活かせる適応症を理解することが重要となる. 最もIODの効果が活かされる,あるいは良好な効果が予測される症例は,「従来の全部床義歯により回復された口腔機能をさらに向上させたい」場合である.言い換えれば,通常の全部床義歯によってある程度の機能回復ならびに安定が確保されていれば,インプラントは大きな味方となる.

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