CAD/CAM冠 CAD/CAMインレー
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る.① 充塡材と単量体からなるコンポジットレジンを成型・加熱重合した一歯相当分のブロックであること ――――――――――――日本歯科評論別冊/2023 29材料(Ⅱ)に準じた基準に加えて,②歯冠長に適応したブロックサイズや無機質フィラーのサイズ,③前歯に要求される審美性となる多層構造(グラデーション)となっている. 2022年■月より保険収載されたCAD/CAMインレー修復は,臼歯に対して歯冠修復を設計・製作し,装着した場合に算定され,隣在歯との接触面を含む窩洞に行う複雑インレーに限られている.使用材料はCAD/CAM冠用レジンと同様で,小臼歯部にはCAD/CAM冠用材料(Ⅰ)および(Ⅱ),大臼歯部には(Ⅲ)が用いられる. 現在のCAD/CAM用レジン材料の機能区分を表1に示す. レジンブロックは,フィラーとマトリックスレジンをあらかじめ高温および高圧下で重合させてブロック状に成型しているため,マトリックスレジンの重合率が非常に高く,フィラー含有量を増加させる② ファイバー状の無機充塡材を含まないこと③ 緻密な無機充塡材の■次粒子径(90%粒子径)が10μm以下であること④ レジンブロックはCAD/CAM冠を切削加工するときに,レジン部が保持ジグ(台座)から外れてはならないこと また,2017年12月の下顎第一大臼歯に対する保険導入時に,JDMAS245:2017「CAD/CAM冠用歯科切削加工用レジン材料」として,すでに流通している小臼歯用をタイプ■,大臼歯にも使用可能なタイプ■としてレジンブロックの要求事項を規格化していた.さらに,2020年■月19日に厚生労働省の協議会となる中央社会保険医療協議会総会で,特定保険医療材料であるCAD/CAM冠用材料に新しい機能区分「CAD/CAM冠用材料(Ⅳ)」が設けられ,前歯部が保険適用範囲に入ることが決まった.前歯部用適用材料の定義としては,①CAD/CAM冠用表₁ CAD/CAM用レジン材料の機能区分・タイプ別要求性能CAD/CAM冠用材料機能区分名適応範囲無機質フィラー無機質フィラーの一次粒子径硬さ₃点曲げ試験吸水率積層構造ブロックサイズCAD/CAM冠用材料(Ⅰ)小臼歯60%以上CAD/CAM冠用材料(Ⅱ)小臼歯60%以上55Hv0.2以上160MPa以上32μg/mm₃ 以下(Ⅲ)第一大臼歯70%以上75Hv0.2以上240MPa以上20μg/mm₃ 以下切縁部色と歯頸部色,これらの移行部を含む複数の色調の積層構造(₃層以上)歯冠長に相当する₁辺の長さが14mm以上CAD/CAM冠用材料(Ⅳ)前歯60%以上最大径₅μm以下55Hv0.2以上160MPa以上32μg/mm₃ 以下Ⅱ.CAD/CAM用レジンブロックの   基礎的性質

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