日本歯科評論7月号
6/9

吉よし岡おか俊とし彦ひこⅠⅡ診療ガイドラインから考える深在性う蝕への臨床対応 本稿では,歯髄保存の中でも特に考慮するポイントが多くある断髄処置における注意点の解説,およびその注意点を考慮した実際の症例の手順を示したい.また,治療介入時や経過観察時における注意点を示し,歯髄保存処置を行うことが本当にその歯,その患者さんにとって長期的に良い結果となるかをしっかりと考えることを提案したい.吉岡デンタルキュア〒730-0051 広島県広島市中区大手町1-8-17日本歯科評論(通刊第969号) 51特 集究極の歯髄保存 ₁.覆髄材の種類・厚み 前項にもあるように,プロルートMTA(デンツプライシロナ)を断髄に使用した場合,歯質の変色が生じてしまうために審美的な問題となる.造影剤の変更によって変色しない後発品があるので,審美エリアではそちらへの変更を検討する■).また,プロルートMTAの硬化時間は非常に長いため処置中の硬化は不可能である.初期硬化が早い後発品があるので,必要に応じてそちらへの変更を検討する. 覆髄材の厚みは材料の強度や漏洩防止のために確保すべきで,MTAであれば■〜■mmは確保したい.しかし,臨床では後述するように修復材料の被着歯髄保存の注意点治療時の注意点 4.歯髄保存における注意点

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る