日本歯科評論6月号
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 高齢化が進むわが国において,QOLを低下させ死亡率や医療費を増大させる脆弱性骨折は年々増加傾向にあるが,その原因である骨粗鬆症は自覚症状のないことも多く,早期に患者自らが専門医療機関を受診する機会は少ない. 骨粗鬆症は整形外科,内科,婦人科などの医科領域の疾患ではあるが,歯科で口腔疾患の検査として日常的に撮影されているパノラマエックス線写真が,骨粗鬆症のスクリーニングに活用されている事例があり,非常に有用な可能性がある. 筆者らが従事する呉地区では,医歯薬行政が連携日本歯科評論(通刊第968号) 97してこれらの取り組みを行っているので紹介する.また,それに先立ち骨粗鬆症スクリーニングの重要性を理解するために歯科医療従事者が知っておくべき骨粗鬆症に関する情報を記す. 骨粗鬆症とは骨折のリスクが増大した状態で,WHO(世界保健機関)では「低骨量と骨組織の微細構造の異常を特徴とし,骨の脆弱性が増大する疾患である」と定義されている■).骨強度は単に骨量(骨密度)のみにより規定されるのではなく,骨量の評価を70%,骨質の評価を30%の割合として決定図₁ 骨強度に及ぼす骨密度と骨質の関係(文献■)より).1国家公務員共済組合連合会呉共済病院歯科口腔外科部長 〒737-8505 広島県呉市西中央2-3-282やけやま歯科医院/呉市歯科医師会理事         〒737-0933 広島県呉市焼山桜ヶ丘1-3-63国家公務員共済組合連合会呉共済病院歯科口腔外科医長4沖本クリニック/整形外科医               〒734-0304 広島県呉市豊町久比185-4・骨の微細構造・骨代謝回転の速さ・微小骨折の有無・石灰化の程度₁.定義とわが国の患者数医科歯科連携の道を探る=+はじめにⅠ 骨粗鬆症の現状パノラマエックス線写真による骨粗鬆症のスクリーニング1 國くに原はら崇たか洋ひろ 2 米よね田だ進しん吾ご 3 沖おき本もと信のぶ和かず東とう森もり秀ひで年とし4

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