日本歯科評論10月号
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石いし谷たに徳のり人ひとイシタニ小児・矯正歯科クリニック〒899-5432 鹿児島県姶良市宮島町41-4咬合治療=咬合誘導や矯正歯科治療を含めたもの(小児から成人まで対象となる)早期治療=早期咬合治療=小児期からの咬合治療◦上下顎骨の劣成長における成長促進◦上下顎骨の過成長における悪化防止◦永久歯における萌出障害の解消および萌出誘導◦口腔機能の改善および向上◦機能的かつ審美的な永久歯列・咬合の確立 小児歯科医療の大きな柱の■つに咬合誘導という言葉がある.九州大学名誉教授の中田 稔先生は「小児歯科医療の基本は,顎口腔領域の形態的ならびに機能的な発育を正しく誘導し,育成していくことにある.小児は成長発育による身体的変化を繰り返しながら次第に成人へ近づいていくものであり,その変化に対応した歯科臨床を実践しながら,健全な永久歯列による良好な咬合を育成することに小児歯科の究極的な目標があり,そのために行われる臨床体系が咬合誘導である」■)と述べている. 一方,矯正歯科治療は咬合誘導よりも一般的に広く知られた言葉であり,前者が方法論的な表現であるのに対して,後者は概念的な表現であるといえる.これら■つの言葉を明確に区別することは困難であることから,筆者はあえて咬合治療という言葉を用いてきた.それは,咬合治療は歯冠修復を含む咬合関係を改善するた図₁ 小児における咬合治療の定義と目標.28 THE NIPPON Dental Review Vol.82 No.10(2022-10)Ⅰ 小児の咬合治療とは  ―咬合誘導と矯正歯科治療を含む言葉である目 標小児期からの咬合治療との向き合い方

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