日本歯科評論2022年8月
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吉よし木き雄ゆう一いち朗ろう 筆者が空■歯列に対して治療を行う場合には,以下を治療方法の選択基準としている. ・患者の希望(治療期間,費用,治療後の仕上がりや予後に対する希望など) ・前歯の形態,幅径,色調,表面性状など ・カリエスやペリオの状態や,旧修復材料の大きさ ・上下歯列の咬合状態 それらを口腔内診査や問診にて確認した後に,矯正治療かコンポジットレジン修復かラミネートベニア修復か,もしくはそれらの複合的な治療を行う必要があるかを決定している.コンポジットレジン修復かラミネートベニア修復かについては図₁が基準となる. 本稿では,ラミネートベニアによる間接接着修復治療を選択した■症例を提示し,解説させていただく.一概にラミネートベニアといっても使用マテリアルや接着を理解することで,従来のような形成をせずにノンプレップ(無形成)や最小限の歯質の削除による,よりMI(低侵襲)な治療を行うことが可能である.まず,ノンプレップで対応した症例Ⅰ(図Ⅰ-₁〜図Ⅰ-14)をご覧いただきたい.小さい(<約₂mm)大きい(>約₂mm)なしありなしありなしありなしあり図₁ 空■閉鎖に対する治療選択の基準.空隙の幅(歯間離開量)歯冠形態の変更歯冠色の変更歯冠表面性状の変更唇舌的なズレや捻転74 THE NIPPON Dental Review Vol.82 No.8(2022-8)コンポジットレジンパーシャルベニア,ラミネートベニアコンポジットレジン,パーシャルベニアラミネートベニアコンポジットレジン,パーシャルベニアラミネートベニアコンポジットレジン,パーシャルベニアラミネートベニアコンポジットレジン,パーシャルベニアラミネートベニア吉木デンタルクリニック〒460-0008 愛知県名古屋市中区栄3-7-12サカエ東栄ビル9Fラミネートベニア修復でのアプローチ

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