日本歯科評論2022年8月
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天川 今回の特集「MIコンセプトと審美的調和を目指した前歯部空■歯列への対応」ですが,正中離開やブラックトライアングルといった前歯に■間ができた場合,以前であれば矯正するか,ラミネートベニアやクラウンで修復することがほとんどだったと思います.特にブラックトライアングルなどは治療できないと諦めてしまう方も多かったのではないでしょうか.しかし接着歯学の発展とMIコンセプトの浸透により治療方法も変わってきました.空■歯列を歯を削らずに直せるのであればぜひ直したい,という方が増えてきました. そこで今,改めて前歯部空■症例への対応について考えてみたいと思います.天川 まずMIコンセプトについて復習しましょう.図₁はFDIから発表された定義です■).“小さく削って小さく詰める”というように思われがちなMIコンセプトですが,う■リスクを把握すること,う窩を形成していないカリエスは再石灰化を図ること,メインテナンスを実施することなども定義に入っています.ですからMIコンセプトとはただ単に小さく修復することだけではなく,その方のリスクを把握して最適なメインテナンスを実施しながら,なるべく歯を削らないための考え方だということを確認しておきたいと思います. また,これには「接着歯学が可能にしたMI」とも記されています.よってMIコンセプトを活かすためには,接着歯学を理解することが必要になります.接着天川デンタルオフィス外苑前田園調布ヴェルデ矯正歯科あまかわゆみのけいすけこや対談■)Minimal Intervention Dentistry (MID)for Managing Dental Caries:Adopted by FDI General Assembly October, 2002 in Vienna, Austria, Revised by FDI General Assembly September, 2016 in Poznan´, Poland.32 THE NIPPON Dental Review Vol.82 No.8(2022-8)―― 治療の選択基準,診査のポイントとは?特集のはじめにMIコンセプト天川由美子矢野圭介前歯部空隙歯列にいかに対応するか

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