医療税制,特措法は条件付きで存続(日歯)

 

日本歯科医師会会長予備選挙について,村上恵一専務理事によると,投票用紙はすでに同月28日に全国の会員に発送済み.投票は2月8日14時をもって締め切られ,以降は即日開票作業ののち,夕刻には選挙結果が判明する予定である.

 日本歯科医師会(大久保満男会長)は1月24日,東京・市ヶ谷の歯科医師会館において定例の記者会見を行った.当日,大久保会長は所用のため不在であったが,代わりに挨拶に立った近藤勝洪副会長は新内閣の発足に触れて「歯科受診は社会の景気や家計の経済状況に大きく左右されるため,景気回復政策に期待したい」と述べた.また,本年は日歯創立110周年を迎える節目の年であることから,公益法人制度改革とも併せて「新しい年のスタート」として抱負を語った.他に紹介された内容は以下のとおり.

社会保障制度改革国民会議
 昨年11月末よりこれまで3回にわたって開催されている国民会議には,利害関係を有するとされる医療関係団体は参加できず,社保審など各審議会の部会長や大学教授らをはじめとする委員が各専門分野ごとに議論を交わしている.このうち歯科に大きく関わる課題としては,高齢者医療制度の改革と,70歳〜74歳の患者の一部負担金の問題が挙げられるが,後者は政府マターであり参院選まで議論が据え置かれるだろうとの推測から,焦点は高齢者医療制度の在り方になると考えられる.日歯は,国民会議に対して今後も実のある議論の展開を望んでいく姿勢を改めて示した.

公認スポーツデンティスト養成実施に向けて
 同月16日に日本体育協会公認スポーツデンティスト覚書署名式が執り行われ,いよいよ本年度からスポーツデンティストの養成が開始される運びとなった.初年度(25年度)の講習は今年10月と来年1月に予定され,「医科共通」としてスポーツドクターと同じ基礎科目を4日間受講する.また,日本体育協会の中に担当委員会を設立し,次年度(26年度)からは「スポーツ歯科医学」として応用科目も開設される.

災害時における歯科医師の被災地への派遣に係る打合せ会
 当初から日歯は身元確認の派遣は警察庁,医療派遣は厚労省との連携のもとで行ってきたが,災害医療活動の初動段階であるDMATやJMATにも歯科が参画できないかという意見を受けて,システム構築に関する打合せ会をこのたび初めて開催した.初動では医師や看護師がチームの中心となることから,まずは医療関連職種との連携が取りやすい病院歯科・口腔外科の歯科医師を対象に,登録医制などの派遣体制を考案していく.日歯としては超急性期であるDMATよりもまずはJMATに帯同できないか,医師会との話し合いの場を設けていきたい,としている.

医療税制に関する最終処理案
 医療税制に関する最終処理案が発表され,これまで日歯が現状維持を要望してきた特措法(四段階制)は“条件付き存続”となることが明らかになった.“条件”とは,高額の自費診療収入を有する医療機関は「小規模ではない」とする会計検査院からの指摘を受けたもので,“医業収入が7,000万円以上の医療機関を対象外”とするものである.青申会の調査データをもとに行われた試算によると,影響は「特措法適用者の0.5%程度」と比較的少ないものと見込まれるが,柳川忠廣常務理事は「この7,000万円というラインが今後なし崩しに引き下げられることは避けたい」と懸念を表明,連盟とも連携しながら今後の動向を引き続き注視していく.


(2013.02.05)

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