歯周外科のベーシック&アドバンス
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Dental Review Special Issueタアナリシスにおいて,エムドゲインと骨補塡材を併用した場合のCAL獲得量は平均3.76mmで,エムドゲインのみ(3.32mm)と比較して有意に大きかったと報告されている.しかしながら,PPD減少量について差を認めず,歯肉退縮量についてはエムドゲインのみのほうが有意に少なかったとされている32).使用した骨補塡材の種類や骨欠損形態,フラップデザインなどの研究デザインの違いによって引用論文の結果に一貫性がなく,ばらつきが多く認められる33,34).近年ではいくつかのレビューにおいて,エムドゲインと骨補塡材の併用について,適応症例における骨欠損形態によるところが大きいと提言されている. 一方でリグロスについて,併用療法に関する臨床報告はまだ少ないのが現状である.骨補塡材として人工骨(β-TCP)のみを使用した群とβ-TCPとさまざまな濃度(0.1%,0.3%,0.4%)のFGF-2を併用した群の無作為化比較臨床試験(RCT)では,■カ月後の治療結果としてすべての群で治療前と比較して臨床パラメータ(CAL獲得量,PPD減少量)は改善したものの,群間でのCAL獲得量,新aaddbbeeccff82 THE NIPPON 単独と比較して臨床パラメータの改善に有意差が認められなかったことから,併用療法の付加的効果はないと考えられている29,30). バイオオスとバイオガイド(ガイストリッヒファーマジャパン)を併用した場合とバイオオスを単独使用した場合の組織学的な観察において,バイオオスを単独使用した場合では顆粒周囲に結合組織が観察されたのに対して,併用療法では顆粒周囲により多くの新生骨が観察されたという報告があるが,メンブレンの必要性について明確な基準は存在しないのが実情である. ■,■壁性骨欠損や幅の広い■壁性骨欠損などのnon-contained defectについては,成長因子だけでなく,スペースメイキングの観点から骨補塡材の持つ骨伝導能に期待し,併用療法が行われることが多い31).エムドゲインと骨補塡材との併用効果に関して多数の報告があり,システマティックレビューメ図12 自家骨+ジーシーメンブレンを用いたGTR法を行った症例.50代の女性.術前の 7 遠心は■壁性の骨欠損,頰側遠心のPPD■mm,CAL■mm. 術後■年■カ月経過,PPD■mm,CAL■mmに改善.a:術前.b~d:術中.e・f:術後■年■カ月.2.骨補塡材+メンブレン(図12)3.成長因子+骨補塡材(図13~図16)

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