萌出障害
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詳歯胚位置異常(52p~)粘膜性の萌出遅延粘膜性の萌出遅延叢生による乳歯早期脱落5 萌出遅延6 過剰歯萌出遅延(主に上顎1番,2番に見られる)上顎6番下顎6番6歳4カ月の女児.AA乳歯脱落から半年以上萌出しないという主訴で来院した.上顎前歯部の乳歯脱落後,傷が治癒してしまうと顎堤歯肉が厚く硬いためなかなか萌出できない症例がある.萌出遅延が生じるとその隙間に舌を突っ込む舌突出癖がでてしまうため,早期に解消する必要がある.デンタルエックス線写真で粘膜直下に1番があることが確認できたため,開窓術を行うこととなった.上顎7番上顎5番上顎1番開窓術は電気メスを用いている.この症例の場合,₁はやや深い位置にあるが,その場合は切端部が再び歯肉に覆われないように歯肉の高さを落とし,特に口蓋側を深く切除している.すでに口腔習癖となっている舌突出癖は,開窓術により歯冠萌出を促すとともに機能訓練をしていく必要がある.74   5 萌出遅延6 過剰歯上顎6番下顎6番上顎7番上顎5番上顎1番7 歯胚の捻転過剰歯上顎5番下顎5番上顎2番上顎1番7 歯胚の捻転過剰歯上顎5番に■けられる.それぞれ解説する.粘膜性の萌出遅延 上顎前歯1番2番付近の顎堤歯肉は厚くて■く,乳歯が早期脱落した傷が治■した後,なかなか萌出してこないことがある.上顎前歯の萌出遅■は,長期間になると脱落した乳歯のスペースに舌を突出させる舌突出癖や,もともとあった異常■下癖を助長し,開咬の原因となるため,上顎前歯の粘膜性萌出遅■に対しては,積極的に早期の開窓術を行う.特に乳歯列期に異常■下癖があるような症例では,上顎前歯萌出期に開咬が悪化する場合が多く,注意が必要である.7番近心傾斜下顎5番上顎2番上顎1番8 7番萌出障害7番シザースバイト8 7番萌出障害7番シザースバイト7番近心傾斜 萌出遅■は,歯胚の位置に問題はないが,歯胚の発育が遅い,もしくは歯の萌出速度が遅い・停止している状態をいう.本書では歯胚位置異常による萌出遅■はここには含めていない.① 歯胚が直下に存在するが,歯肉が■いため,なかなか萌出してこない粘膜性の② パノラマエックス線写真などから歯胚の劣成長や萌出速度が遅いと判断される歯胚性の萌出遅延③ その他の萌出遅延(萌出スペースが足りない,乳歯■合歯が原因のもの,乳歯失活が原因のもの,歯牙腫など口腔外科的疾患によるもの,など)

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