萌出障害
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詳上顎5番の歯胚の捻転(112p)上顎6番の歯胚位置異常による上顎E早期歯根吸収歯胚位置異常₇歳₆カ月の女児.₆の萌出遅延でパノラマエックス線写真を撮影したところ,歯胚位置異常によるEへの引っかかりが疑われたので,デンタルエックス線写真を撮影した.撮影中に患児が動いてしまったためピンボケになっているが,E遠心頬側根の吸収が始まっているのが確認できる.このまま放置すると吸収が進行し,早期脱落の可能性がある.早期の対応が必要と考え,同日処置を行うこととした.開窓して牽引する場合,側面にボタンは付けられないので,咬合面に接着し,遠心にアンカースクリューを埋入し牽引を行った.アンカースクリューは₇相当部に埋入した.₇歯胚が直下にあり,ほとんど骨が残っていなかったが,わずかに遠心に引っ張ることができれば問題ないと考えた.₂週後.₆のE遠心への引っかかりは解消した.引っかかりさえ解消すれば自然萌出が期待できるため,すぐに装置を除去して経過観察とした.E遠心はCR充塡している.₇カ月後.₆はE遠心に正常に萌出した.Eの吸収は最小限に食い止められた.別の問題として後継永久歯の₅が90°捻転しているので,今後の対応が必要である.   614上顎6番の歯胚位置異常による乳歯歯根吸収を開窓し,アンカースクリューで牽引した症例

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